「〈物語〉シリーズ」のヒロインの1人にして、主人公・阿良々木暦(あららぎ こよみ)の命の恩人として「化物語」登場時から強い信頼を寄せられていたのが羽川翼(はねかわ つばさ)。この記事では、アニメ未放送のネタバレに配慮しつつ、羽川の魅力をお伝えしていきます。
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目次
- 「〈物語〉シリーズ」とは
- アニメ「〈物語〉シリーズ」羽川翼のプロフィール|声優や身長、髪型は?
- 羽川翼の複雑極まりない家庭環境とは?
- アニメ「〈物語〉シリーズ」での阿良々木暦と羽川翼の関係は?
- まとめ
「〈物語〉シリーズ」とは
お人好しな男子高校生・暦と、その周囲にいる少女たちが、神や妖怪などといった「怪異」にまつわる事件に巻き込まれていくさまを描いた「〈物語〉シリーズ」。「戯言シリーズ」などのライトノベルや、漫画「めだかボックス」の作者として名高い人気小説家の西尾維新(にしお いしん)氏が、15年以上、29冊に渡って書き続けている代表作です。また「化物語」は、漫画家・大暮維人(おおぐれ いと)氏の手によって全22巻のコミカライズも行われています。
ストーリーは2024年現在で6部構成となっており、そのうち1~3部に相当するファーストシーズン、セカンドシーズン、ファイナルシーズンはすでにアニメ化。また、ストーリー自体はファイナルシーズンで完結しており、2024年7月6日から新たに映像化されている第4部のオフシーズンはヒロインたちの後日談を、第5部のモンスターシーズンは暦の大学入学後を描いた物語となっています。
アニメ「〈物語〉シリーズ」羽川翼のプロフィール|声優や身長、髪型は?
羽川は暦や戦場ヶ原ひたぎ(せんじょうがはら ひたぎ)の同級生にしてクラス委員長。暦たちが通う直江津高校が誇る天才少女で、成績は常に学年首席で実技科目も満点、入学以来テストで誤答したのは穴埋め問題1つだけ(しかも教師の問題作成ミス)という偉業の持ち主です。極めて博識で、暦を「お前は何でも知ってるな」と驚かせることが多々あり、その度に「何でもは知らないわよ、知ってることだけ」との名言を返すのがお約束となっていました。
初登場となる「化物語」時の容姿は、眼鏡を掛けて髪型は三つ編みという、絵に描いたような委員長スタイル。ところが、「偽物語」の「かれんビー」ではイメチェンと称して髪をバッサリ切ってショートにしており、眼鏡もコンタクトに変えるなど野暮ったさが抜けてかわいい感じになっていました。怪異の王にして暦の相棒である吸血鬼の忍野忍(おしの しのぶ)には「元委員長」などと言われていましたが、その後は再び髪を伸ばし始めているようです。
性格も真面目で品行方正と非の打ちどころがなく、自己犠牲も厭わない献身性も持ち合わせていますが、その分ストレスが内に籠りがち。そうして長年蓄積したストレスが限界を超えると、「障り猫(さわりねこ)」――通称ブラック羽川という怪異が人格を乗っ取り、ストレスが解消されるまで元に戻らなくなります。障り猫自体は弱い怪異なのですが、羽川の博識ぶりで忍野メメ(おしの めめ)の怪異対策をことごとく跳ね返すなど厄介な敵となっていました。
ちなみに、これまでアニメ化されたストーリーの中でブラック羽川が顕現したのは3回。アニメ初出は「化物語」の「つばさキャット」ですが、これは時系列順だと2回目になり、1回目はゴールデンウィークに起きた事件にスポットを当てた「猫物語(黒)」の「つばさファミリー」でした。「つばさキャット」は6月の出来事、最後となる3回目は2学期の始業式の日から始まる事件で、「猫物語(白)」の「つばさタイガー」で描かれています。
羽川翼の基本情報【プロフィール】
■学年:公立清風中学校卒業→私立直江津高校3年生
■年齢:17~18歳
■誕生日:不明
■身長:158cm
■体重:不明
■家族構成:養父母(どちらも血縁はなし)
羽川翼の基本情報【声優】
羽川役の声優は堀江由衣(ほりえ ゆい)さん。声優としては4人目となる日本武道館での単独ライブ開催を成し遂げた人気声優ですが、中学校・高校時代は自ら進んで人前で歌や芝居を披露するタイプではなく、むしろ「暗黒時代」だったとのこと。短大に入った1995年に、小学校時代からの友人に誘われて声優事務所の新人オーディションを受け特待生に選ばれましたが、そもそもオーディションを1人で受けるような気質ではなかったそうで、この友人がいなければ声優になっていなかった方かもしれませんね。
その後は1997年に声優デビューを飾ると、1999年の「To Heart」マルチ役や、2000年の「ラブひな」成瀬川なる役でブレイクし、一躍人気声優となりました。そのほかの代表作には「シスター・プリンセス」咲耶役、「ひぐらしのなく頃に」羽入役などがあり、近年では「この素晴らしい世界に祝福を!」ウィズ役などでも好評を博しています。
「物語シリーズ」の羽川役も代表作の1つで、特にブラック羽川出現時には「な」を「にゃ」と発音しなければいけない縛りがありました。そんな中で「つばさキャット」では「斜め77度の並びで、泣く泣く嘶くナナハン7台、難なく並べて長眺め(ななめななじゅうななどのならびで、なくなくいななくななはんななだい、なんなくならべてながながめ)」という早口言葉に挑戦、見事にクリアして放送当時に大きな話題となっていました。
羽川翼の複雑極まりない家庭環境とは?
羽川の家庭環境は非常に複雑で、まず実父は不詳。未婚だったためシングルマザーになった実母は羽川を出産してすぐにお金目当てで結婚するものの、わずか1年後に自殺。実母の夫はその後まもなく現在の養母と再婚するのですが後に過労死してしまい、それから養母と結婚したのが現在の養父で、羽川姓はこの養父のものだそうです。
つまり、羽川は現在の養父母と血縁関係はまったくなく、しかも家族関係は冷え切っていて、羽川は自室さえもらっていないというのです。これを知った暦は「終わり過ぎるほど終わっている」と激しく取り乱し、戦場ヶ原にも「ああいう人達を親と呼ぶ事はない」と言われていますので、虐待に近い扱いを受けているのは間違いないでしょう。
ちなみに、この家庭環境を暦に知られたことは羽川にとって多大なストレスになったようで、これを引き金にして1回目の障り猫ことブラック羽川が出現。その結果、養父母が病院送りになったことが「猫物語(黒)」の「つばさファミリー」で語られています。養父母にとっては不幸でしたが、自業自得ですし命があるだけマシだったのかも?
後にこの羽川家は、「猫物語(白)」の「つばさタイガー」で全焼してしまいますが、それも羽川が生み出した第二の怪異「苛虎(かこ)」によるもの。この怪異は羽川が嫉妬を抱いた存在や場所を焼き尽くすという性質を持ち、養父母が仲を修復しようとしているのに羽川が嫉妬して起きた事件でした。その後、羽川は精神的な成長を遂げて養父母に歩み寄りを見せ、新居でついに自室を獲得するなど親子関係は好転の兆しを見せているようです。
アニメ「〈物語〉シリーズ」での阿良々木暦と羽川翼の関係は?
そんな羽川と主人公・暦の仲はというと、互いに好意を向けあっているのは明らか。暦は「傷物語」の「こよみヴァンプ」で羽川に命を救われて以降、彼女を恩人として特別視していますし、羽川も暦と戦場ヶ原が付き合い始めたのを知ってショックを受け、2回目のブラック羽川を顕現させたことが「化物語」の「つばさキャット」で語られています。
さらに羽川は、「猫物語(白)」の「つばさタイガー」で「結婚を前提に、私と付き合ってくれないかな」と暦に告白。すでに彼女がいる暦に振られることで自らの気持ちにケジメを付け、「偽物語」の「かれんビー」で髪型をショートカットにして心機一転、再登場するという流れになるわけです。
ちなみに、羽川の髪を誰が切ったのかというと、実は暦なのです。「化物語アニメコンプリートガイドブック」に収録されていた短々編「つばさソング」では、羽川が暦と3時間ものカラオケデートをした末に「こないだ失恋しちゃって」と言って髪を切らせるシーンが描かれていました。なお、この「つばさソング」は、2024年9月11日に発売される単行本最新刊「短物語」に収録される予定となっていますので、気になる方はぜひ購読してみましょう。
まとめ
以上、「〈物語〉シリーズ」のヒロインの中でも明確に暦と好意を向け合っている羽川に関する情報をまとめました。そこまで互いに意識しているのに、暦と付き合えず戦場ヶ原に持って行かれてしまったことは、羽川にとって痛恨だったことでしょう。
そんな羽川のその後の心境も気になるところですが、2024年7月からアニメ化されているオフシーズンには、原作小説では羽川を主人公とするエピソード「つばさスリーピング」も含まれていました。今のところアニメ新シリーズのクレジットに羽川の名前はありませんが、羽川が再度アニメに登場するのかどうかにも注目しましょう!
(C)西尾維新/講談社・アニプレックス・シャフト