前WWE女子チャンピオンのイヨ・スカイが凱旋。7月25日エディオンアリーナ大阪、7月26、27日両国国技館で開催されるWWE日本公演『WWE SuperShow Summer Tour2024』に、自身のユニット「ダメージCTRL」とともに参加する。
7.13マリーゴールド両国国技館大会で、林下詩美相手に圧巻のパフォーマンスを見せて、その実力をあらためて満天下に示してみせたイヨ・スカイ。昨年はWWE女子王座を獲得し、今年の『レッスルマニア40』ではセミ・メインイベントを務めるなど世界のスーパースターとなったイヨが、6年前にWWE所属となって以来初となるWWE日本公演出場で、どんな闘いを見せてくれるのか。その意気込みを語ってもらった。
――今回、WWE日本ツアーの前にマリーゴールドの7.13両国国技館大会に出場となったわけですけど、これが決まった時はどう思いましたか?
「ホント、びっくりでしたね。私は6年前にWWEと契約して渡米した時点から、契約が続くかぎりWWE以外のリングには上がらないものだと思っていたので。世界が変わったなって」
――周囲の反応はいかがでしたか?
「もう、すごいですよ。私は普段アメリカに住んでいるので、日本からの声ってソーシャルメディアで届く以外、空気感まではわからなかったりするんですけど。あらためて日本に帰ってきてみて、めちゃくちゃ期待されてるなって感じました」
――今回、偶然ですけどイヨ選手がマリーゴールド両国に上がる同日、AJスタイルズもNOAHの日本武道館大会に出場となりましたよね。WWEの変化というものをすごく感じるんですけど、WWEスーパースター自身はこの変化をどのように捉えていますか?
「すごく刺激的だし、みんなめちゃくちゃポジティブに捉えてるし、面白いことになってきたなっていう風に見てます。というのもWWEスーパースターが日本のショーに出るだけでなく、アメリカ国内でもブラッドスポーツにシェイナ(・ベイズラー)が出たり、これまでになかったことが大きな変化として起こっているので」
――WWEメインロースターの一線級が他団体のショーに出ているわけですもんね。
「私自身、試合があるなしに関わらず、毎週欠かさずテレビに出続けてるんですよ。なんだったらPLE(プレミアム・ライブ・イベント)にもかなり頻繁に出ていますし。ついこの間も「マネー・イン・ザ・バンク」に出たばかりです
自分で言うのもなんですけど、テレビに出ない選手が外部で違う機会を得るのではなく、本当にWWEの最前線にいながら、こうして日本で別プロモーションに出場するというのは、これがどれだけすごいことなのか日本のみなさんに伝わるかわからないんですけど、本当に価値があることなんです。これはAJスタイルズも同じで、彼も本当の最前線ですから」
――AJは5月にPLE『バックラッシュ』のメインイベントを張ったばかりですもんね。
「本当にそうですよ。だから『日本の皆さん、恵まれてますよ』って(笑)」
――今回、そういう新たな扉を開く立場にご自身がなったことについて、どう感じていますか?
「その機会を与えてもらえたことにまず感謝していますし。また、常々WWEの最前線に立っている中で、イヨ・スカイならそのヤバさや信頼を損なわないであろうということで送り出してくれたと思うので。トリプルHを始め、WWE内部の人たちに対しては「任せてくれよ」という感じですね(笑)」
――その信頼感というのは、WWEに来てからの6年間でイヨ選手が積み上てきたものですよね。
「積み上げてきました。間違いなく」
――先日の「マネー・イン・ザ・バンク」もそうですけど、イヨ選手は大一番になるとかならずインパクトを残していますよね。
「とくに今年の「レッスルマニア40」では、2DAYSの最後の1コ前の試合でしたからね。そこで(WWE女子)タイトルマッチのチャンピオンとして、レッスルマニアのセミ・メインイベントを飾らせていただいたので。試合結果は防衛とはなりませんでしたけれど、あの大観衆をステージから見た時、自分自身を誇っていいんだなって思えましたね」
――あらためて自信になったわけですね。
「その試合順やカード自体を決めるのは自分じゃないわけですから。それはアメリカに渡って6年間積み上げてきたものの結果だし。それを正当に実力主義で評価してもらえるのもうれしいし。最初、あの試合順を聞いた時、『えっ、コーディ(・ローデスvsローマン・レインズ)の前、わたし?』みたいな(笑)。それは心から思いましたけど。『イヨならやってくれる』という形で、ベイリーとともに任されたわけですよ。で、実際にめちゃめちゃ盛り上がって、大歓声が聞こえた時、『やってやったぞ』という気持ちになれましたね。まさにアメリカンドリームがつかめたと思いました」
――本当に偉業だと思います。
「その後も、こうやって『マネー・イン・ザ・バンク』の出場権を勝ち取って出場できて、すでにタイトルがあろうとなかろうと期待感は変わらないところまで来たので。そこも含めて自信になりましたね」
――『マネー・イン・ザ・バンク』の反響も凄まじかったんじゃないですか?
「そうですね。みんな私のこと『クレイジー』って言ってましたよ(笑)」
――あのラダーのてっぺんから、ラダーの上へのツームストンパイルドライバーの映像は世界中で物凄い再生回数になるでしょうね。
「ソーシャルメディアを通じて、何億回再生になるんじゃないですか? もうバズりちらして(笑)」
――昨年の『サバイバーシリーズ』での“ゴミ箱ダイブ”もそうですが、「何か必ずインパクトを残してやる」みたいな思い常にあるわけですか?
「ありますね。だからこそこうやってPLEにイヨ・スカイの名前が入ってくるわけだし。そこに自分の試合が組まれた時から、『今回は何をやってやろうか』『どんなことをして、人々の心に残るようなものを見せるか』を常に考えています。これは日本にいる時から変わらないですけど、私はいま自分が立っているリングを心から大切にして、その場その場でベストを尽くしてきた結果が、こうやって毎回バズり散らすようになったということですね(笑)」
――では、今度のWWE日本ツアーではどんなものを見せたいと思っていますか?
「まず、素直に日本の皆さんの前で試合をできることがうれしいですね。じつは私、WWE所属となってWWE日本公演のショーに出るのは今回が初めてなんですよ。6年越し、念願の凱旋なんです。コロナ禍もあって、みんな辛いことも乗り越えてきたんですけど、私もデカくなって帰ってきたことを見せたいですね」
――ダメージCTRLとして、現在進行形のWWEのイヨ・スカイを見せられるのも大きいんじゃないですか?
「それも素直にうれしいです。ダメージCTRLのメンバーは毎日一緒にいて、心から気を許せる大切な仲間なんで。私たちもものすごく楽しみだし、お客さんにも私たちの今を楽しんでもらえたらと思います」
――イヨ選手自身の今後の目標を聞かせてください。
「まず、チャンピオン返り咲きですね。私がまたWWE女子チャンピオンになることで、ダメージCTRLの評価を押し上げる機会になると思っていますし、そうすることでWWEウィメンズ・ディヴィジョンの底上げをして、『みんなで盛り上げていこうぜ!』っていう気持ちがあります」
――では、最後に日本ツアーを楽しみにいている日本のWWEユニバースにメッセージをお願いします。
「イヨ・スカイの勇姿を、ぜひその目で見届けてください!」
取材・文/堀江ガンツ