相手のガードの隙間を抜け目なくボディ、顔面、ヒザと削っていく精度の高い攻撃力。激闘派の心を完全に折り、沈めた冷静沈着な衝撃KOに「相手が壊れてた」とファン騒然。元王者も「バケモノになる」と舌を巻いた。
７月26日後楽園ホールで開催された「RISE180」。山元ケンシ（PHOENIX）と久津輪将充（RMC/9+ nine plus lab）の対決は2ラウンド、久津輪が山元との打ち合いを制して鮮やかなKO勝利。連勝を重ねながらもランク外と過小評価が続いていた”隠れた逸材”の圧倒的勝利に、識者からも驚きの声が相次いだ。
剣心から“ケンシ”へとリングネームを改めたランキング12位のベテラン山元と、現在4連勝中で今年は全てKO勝ちと昨年からの好調を維持している久津輪。カード決定時には「ランカーを一人ずつ倒していく」と強気な言葉も飛び出した。
試合開始、山元が手数を見せるが、久津輪は遠距離からロー、ミドル、左フックと満遍なく攻撃を繰り出していく。右の蹴りから強い左フックと絶妙な距離感を保つ試合運びだ。元RISEミニフライ級の女王・ゲスト解説の寺山日葵は「常に冷静に相手の動きを見ている。空いているところにしっかり打つ、この選手がノーランカーなのですか…」と驚いた様子。
実況陣からも「ハンドスピードが速い」などランク外から浮上してきた久津輪のテンポ良い戦いに注目が集まるなか、1ラウンド終了前際には、それまでの圧をかけ続けてきた山元をじわりとコーナーに追い詰めボディから顔面、さらにヒザ攻撃と散らしながら猛攻。連続の左右ボディから、中心へ連打を撃ち抜くと山元はたまらず頭が背後に反り返りダウン。もう一人のゲスト解説一馬も「上位ランカーでもおかしくない戦いぶり」と思わぬ逸材に驚いた様子だ。
2ラウンド、ワンダウンで後がない山元が積極的に前に出るも、久津輪は粛々と相手をコーナーに追い詰めボディ打ちから剛腕の右フックとペースは変わらない。
互いに「来いよ！」と打ち合い上等の構えだが、至近距離での破壊力は久津輪が勝る。頭を突き合わせた打撃戦、相手の右の打ち際に久津輪が右を打ち返すと山元は効いたか背後にフラフラと下がりながらロープにより掛かる、「まだ出来る」と自らを鼓舞するがダメージの蓄積は隠せない。ガードを固めながら反撃にでるが、久津輪は冷静にガードの隙間目掛けてアッパー、ここで山元が腰砕け。力ない姿にレフェリーが試合を止めた。
優位な試合展開にもとりわけ表情も変えず相手を着実に削っていく破壊型スタイルにファンからも「冷静だなー」「相手壊れてた」「後半は口が開きっぱなし」だったと久津輪の戦いぶりに脱帽といった様子。「ランク外」という触れ込みと過小評価と識者も口を揃えたが、特に一馬は「門口佳佑、安本晴翔、梅井泰成など強豪ぞろいのRISEフェザー級にあって”この選手はバケモノになる”」と大絶賛だった。
