7月28日(日)さいたまスーパーアリーナにて「超RIZIN.3」が行われ、今大会唯一の女子試合でRENAがケイト・ロータスと対戦。貫禄のTKO勝利を収めて、女子格闘技の顔の一人としての威厳と強さを見せつけた。
今年3月のRIZIN神戸大会で約1年ぶりの再起戦を迎え、韓国ROAD FCのアトム級王者シン・ユリから勝利を収めたRENA。今大会ではDEEP JEWELSを主戦場に戦い、今回がRIZIN初参戦となるケイトを迎え撃った。
試合は意外にもシュートボクシングの絶対女王RENAに対して、ケイトが打撃で真っ向勝負する展開となり、RENAもそれに応戦。ケイトのパンチに手こずる場面もあったが、左ボディを効かせると、そこからボディ攻撃に照準を定めて、最後はレフェリーストップを呼び込んだ。
試合後にインタビューで明かされたことだが、実はRENAはタイでの合宿中に右足の指を骨折し、ブロック注射を打ったうえでリングに上がっていた。RENA自身は「怪我には慣れっこです」と言うものの、決して動きが良かったわけではない。
それでもケイトとの打ち合いにひかず、プレッシャーをかけてケイトを疲弊させ、パンチの打ち分けと首相撲を駆使してケイトをレフェリーにストップに追い込んだのは、RENAがこれまで培ってきたスキルと経験が出たと言っていいだろう。
今回のケイト戦の勝利で復帰後は2戦2勝と確実に勝ち星を積み重ねたRENA。もちろんその先に見据えるのは伊澤星花が保持するRIZIN女子スーパーアトム級のベルトだ。
伊澤は次回9月のRIZINさいたま大会で、現役引退を表明した浅倉カンナとの対戦を控えている。もしRENAが伊澤に挑戦するチャンスが来るとするならば早くても9月以降、もちろんそこには大晦日という可能性も含まれる。RENA自身は「出された課題はクリアできた。RIZINの判断でチャンスが巡ってくることを待ちたいです。チャンスが来ることを信じて対策練習を始めたい」と吉報を待つのみだ。
ケイト戦を振り返り「MMAでは下から上がってきた選手と試合することが初めて。負けたら全て失うんじゃないかという不安もあった。一ついい経験になったと思う」と語ったRENA。来るべき王座戦に向けて、ケイトとの戦いはRENAが底力を見せると共に、更なる成長につながる一戦だったに違いない。
文/中村拓己
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