大規模なグループの拠点が摘発されたSNS型投資詐欺事件で、改めてクローズアップされたのが「バイナリーオプション詐欺」だ。
SNSで知り合った男性からバイナリーオプションを勧められて詐欺被害にあったAさんは「(加害者は)20代後半。若めな方で、Facebookを見ると高価な時計やクルマを買っていました。電話の印象は優しい感じの若い男性で、年齢も近いから信頼しやすいというか、いい人なのだろうと思った」と振り返る。
Aさんが騙されたスキームはバイナリーオプション取引で、儲けるために勝率83パーセントのチャート式プログラムを提案され、そのシステム使用料として37万円を求められたというもの。
「Zoomが送られてきて、そこに外国の為替じゃないですけど(チャートが)6個並んでいて、それを見ながら線と棒が重なるタイミングのときに賭けてくださいと。11万円だと勝率が69パーセントだからほとんど稼げないと言われて、もう1個上が73パーセントの確率で稼げる、そっちが19万円。私がやったのが83パーセントの確率のもので37万円。後々プランは変えることができないと。結局カードローンを組んでお金を借りて支払いをした」と、カードでキャッシングして37万円を捻出したことを明かした。
「他の人は初月で100万円稼げた」と言われたものの、Aさんはシステムを使い続けても半年で収益は5万円と100万円には遠くおよばなかった。しかし相手からは「取引の時間が少ない」「他の人は睡眠時間を削ってまでやっている」「出かけるのを我慢してやっている」「それをあなたはできていますか?」「だからできないんですよ」と強い口調で責められ、Aさんは恐怖を感じたそう。男性からの連絡も途絶えたため、Aさんは司法書士に相談したという。
勧誘側からは「若い成功者になりすまし同世代を騙す」という特徴が見えてくる。バイナリーオプション詐欺にあったというABEMA的ニュースショーの番組スタッフ・戸澤ディレクターは「被害額は37万円くらい。見た目はすごく長身でモデル体型っぽい方」と回顧。事の発端は4年前。バイナリーオプションで成功して優雅な暮らしをしているというモデルのような女性からフォローされLINEに移行。3タイプに分かれたコースのなかから勝率8割という触れ込みの情報商材を買わされ、たった2週間で連絡が途絶えたという。
戸澤氏は「その人に近づきたいというのは少なからずあった。おじさんに教えてもらうより、20代半ばくらいの人に教えてもらうほうが、やっぱり年齢も近いので」と情報商材を買った理由を告白。さらに嘘の必勝法だと気づかずに、バイナリーオプション取引を続け10万円を溶かしてしまったことも明かした。
「カモになっていると思わなかった?」という質問に戸澤氏は「まだ騙されたと思ってない、投資だとずっと思っていた」と驚きの回答をした。
バイナリーオプション詐欺被害者の依頼を受け、返還請求をおこなってきた丹誠司法書士法人の和田勇祐代表は「恐らく泣き寝入りしている人がほとんど。数字を見るだけで、これは氷山の一角」と、問題の根深さについて語った。
(『ABEMA的ニュースショー』より)
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