東京ディズニーリゾートを運営するオリエンタルランドが先日、日本で初めてディズニークルーズを就航すると発表した。価格やアトラクションについてテレビ朝日経済部の小林里咲記者に聞いた。
【映像】ディズニークルーズオリジナルの衣装? ミッキーのプール? 豪華すぎる“船の中”
━━そもそも「ディズニークルーズ」とは何か?
「ディズニークルーズは1998年にアメリカで就航が始まった豪華客船であり、海の上で一日中ディズニーの世界観を堪能出来る。2025年にはシンガポールでの就航も予定されており、現在クルーズ船は全部で5隻運航、今後さらに3隻増える予定だ」
━━新たに発表された日本における就航とはどのようなものか?
「先日、オリエンタルランドが日本を拠点としてディズニークルーズを展開することが発表された。オリエンタルランドとアメリカのディズニー社がクルーズ事業のライセンス契約を締結し、2025年度からオリエンタルランドが新しい船を造船し、28年度の就航を目指す。今回新しく作る船は現在運航している中でも最大規模の船をベースに作る予定で、総客室数は約1250室、乗客定員約4000人、総投資額は約3300億円だ。最初のうちは首都圏の港を発着する2〜4泊程度の周遊クルーズを予定しており、島などには寄港せず海の上でディズニーの世界を楽しんでもらうのがコンセプト。年間約40万人が乗船できる規模で、年間売上高は約1000億円に上る見込みだ」
━━料金プランは? 客室は?
「まだ実際に造船も始まっておらず、詳細は検討中だが、客室もベースとなる既存の船と同じように複数のグレードが用意される予定だ。船の内側の部屋、窓付きの部屋、バルコニー付きの部屋、さらにはコンシェルジュ付きのラグジュアリーな部屋などさまざまな形態がある。値段は一番多い形態の部屋で1人10〜30万円前後になる予定で、幅広い価格帯が用意される見込みだ。ターゲットも若年層からファミリー層まで幅広くなるだろう。また、『オールインクルーシブ』であるため、一度乗船すれば食事・エンタメが追加料金なしで楽しめる」
━━どのようなアトラクションがある?
「アトラクションもこれから企画されるが、これまでのクルーズでは船上に子供用と大人用のプールやウォータースライダー、ミュージカル観劇できる劇場、キャラクターと触れ合えるレストランやディズニーの世界を楽しめるカフェやバーなどがある。ディズニークルーズオリジナルの衣装に身を包んだキャラクターが登場することもあり、船の上にいる限りディズニーの世界観に没入し続けられる工夫がされている」
━━日本ならではの特徴はあるのか?
「まだ検討段階だが、今回オリエンタルランドが一から船を作り、日本のお客さんがメインとなるので、食事を和食テイストにするなど日本らしさを出すことも考えている。これまでのディズニークルーズとは違った日本人の趣向を意識したクルーズになるだろう」
━━なぜ今、日本でクルーズ事業?
「ディズニークルーズがアメリカで約25年前に就航して以来、日本でもディズニークルーズの展開を検討してきたそうだ。パーク事業、ホテル事業に次ぐ3本目の柱としてクルーズ事業を始めるため、これまでのノウハウが活かされる」
━━なぜ日本船籍なのか?
「今回はオリエンタルランドの事業として船を一から作り、ディズニークルーズを展開する。船ももちろんオリエンタルランドのもので、経営も運営も全てオリエンタルランドが行う。日本船籍にした理由は日本国内だけでも運航できるメリットがあるためだ。短期の旅程も可能になり、ターゲットに合わせたクルーズが実現できる。休みが少ない日本人にフィットするのはもちろんだが、日本へ旅行に来る外国人も数日間のクルーズならば旅のプランに組み込める」
━━ランド・シーにもホテルがあるがパイの取り合いにはならない?
「東京ディズニーリゾートの集客規模は年間約3000万人。それに比べてルーズはおよそ40万人を見込んでいるため、テーマパークへの影響は考えていない。ランドやシーに通うディズニーファンをクルーズに取り込むことも可能であり、相乗効果も見込んでいる」
(ABEMA/倍速ニュース)