トップランカー同士による王座決定戦は、予想外の1ラウンド衝撃KO決着。強烈な左フックをアゴに被弾し、フリーズして背後に倒れながらマットに頭部を強打。即担架が投入される壮絶なダウンシーンに「倒れ方、危ないな…危ない、アブナイ…」と解説陣が連呼。ファンからも「危ない倒れ方」「全く動いていない…」と緊張が走った。
8月22日に後楽園ホールで行われた「LIFETIME BOXING FIGHTS23」。鈴木稔弘(志成)と渡邊海(ライオンズ)によるWBOアジアパシフィック スーパーフェザー級王座決定戦は1ラウンド1分29秒、渡邊が左フック一閃でTKO勝利して新王者に輝いた。
8月22日に後楽園ホールで行われた「LIFETIME BOXING FIGHTS23」。鈴木稔弘(志成)と渡邊海(ライオンズ)によるWBOアジアパシフィック スーパーフェザー級王座決定戦は1ラウンド1分29秒、渡邊が左フック一戦でTKO勝利して新王者に輝いた。
WBO アジアパシフィック スーパーフェザー級1位の渡邊と2位の鈴木、同階級の頂上対決となった今回の王座決定戦は、壮絶な1ラウンドKO決着。ダウン後に即、担架が投入される物々しい雰囲気にファンも固唾をのんだ。
試合開始とともに、近い距離で拳を合わせながらジャブで探り合う展開。鈴木が圧をかけると、渡邊がロープを背にしながらサークリングしカウンターで合わせる。鈴木の積極性が目立つなか、ロープ際でボディの連打などで順調に攻め立てるも開始1分、渡邊が突然ギアを上げ反転攻勢に出る。
前に出る鈴木に対し、渡邊はカウンター気味にワンツー。さらにボディからアッパー、やや脳が揺れたか、ここで一瞬、鈴木の動きが止まる。
渡邊はわずかに訪れた相手の沈黙を見逃さず連打を重ねる。対する鈴木もガードを固め、放送席が「(鈴木は)冷静にガードで対処している」と口にした、まさにその直後だった。
渡邊が強烈な左フックを放つと、鈴木はこれをアゴに被弾。一度、頭が落ちその反動で背後へ崩れるとマットに後頭部を強打してバウンド。その後、動けなくなった鈴木の様子を見たレフェリーはカウントを数えることなく鈴木の元に駆け寄りゴングを要求。即試合を止めた。
ABEMAで試合を解説していたプロボクサー・木村吉光は開口一番「倒れ方が危ないな!危ない、アブナイ」とやや緊張した様子でコメントすると、リング内に即、担架が運び込まれた。
1ラウンドでの衝撃的なKO決着。両者のアグレッシブな打ち合い、緊迫感あふれる王座戦に「これはいい試合」「積極的だ」と興奮気味に反応していたファンも鈴木の衝撃的なダウンシーンに様子が一変。「全く動いてないぞ」「やべえ倒れ方だ」「足揃ってのダウンは危ない」「ちょっとやばい倒れ方」と騒然となった。
リプレー映像では、鈴木は決定打をもらうことなくガードして防いでいたが、左フックからボディ、顔面への打ち分け。最後は左フックで脳を揺らされ、これが決定打となった。
会心の勝利に一度はガッツポーズを見せた渡邊は、メディカルスタッフが鈴木を取り囲むただならぬ雰囲気に陣営とともに心配そうに駆け寄り、深々と頭を下げた。この日、渡邊の応援に駆けつけた260人ほどの大応援団はKOの直後にどっと沸いたが、鈴木が担架で運ばれる際には、惜しみない拍手が送られた。
デビュー以来、過去5戦4KOで順調に勝ち星を伸ばすも6戦目でショッキングなKO負けで初黒星を喫した鈴木。関係者によると、控室で意識を取り戻した鈴木はその後、検査のため病院へ。CT検査を受け、幸いにも異常は認められなかったとのことだ。
一方、見事な快勝で戴冠を果たした渡邊の戦績は13勝7KO1敗1分けに。今後のさらなる飛躍に期待ができる圧巻のKO勝利だった。