そうそう、1980年代のゲームといえばコレでした!昔のアニメを見ていて、当時の流行やテクノロジーに触れノスタルジーを感じることがあるが、「ドラゴンボール」にも視聴者の子供心を絶妙にくすぐり、大人になった今見ると目茶苦茶懐かしい“ドット絵”のファミコンのような装置が登場するワンシーンがあった。
【映像】悟空と人造人間8号を惑わすファミコン風迷路装置(17分35秒ごろ〜)
1986年から1989年に放送されたTVアニメ「ドラゴンボール」は、「週刊少年ジャンプ」(集英社)で1984年から1995年まで約11年間連載された鳥山明の同名漫画が原作。シリーズ累計発行部数が全世界で2億6000万部を超える大ヒット漫画で、以降も「Z」「GT」「改」「超」など数々のアニメシリーズが制作されたほか、20作を超える劇場版も公開。数多くのゲームシリーズにもなっている。40周年を迎えた2024年、故・鳥山明氏が原作・ストーリー・キャラクターデザインを手掛けた完全新作アニメシリーズ「ドラゴンボールDAIMA」が秋に放送予定となっている。
ドラゴンボールで人造人間といえば「ドラゴンボールZ」セル編で登場した人造人間17号・18号という双子の姉弟を思い浮かべる人も多いかもしれないが、初めて登場した人造人間は孫悟空(CV:野沢雅子)幼少期、レッドリボン軍編の人造人間8号(CV:飯塚昭三)だ。いかにも強そうなフランケンシュタインの怪物のような見た目とは裏腹に、戦いを好まず心優しい性格をしていた。
悟空は囚われの身となっているジングル村の村長を助けるために、レッドリボン軍ホワイト基地《マッスルタワー》に乗り込んだ。タワーの4階を守る忍者ムラサキ曹長は、悟空に追い詰められると閉じ込めていた人造人間8号を解放。8号に悟空抹殺を命じた。しかし8号は「生き物殺すのよくない。オレ悪いことキライ」とその命令を拒否。ムラサキ曹長は8号を失敗作とみなし爆破しようとするが、間一髪のところで悟空が爆破スイッチを破壊すると、8号は悟空に感謝を伝えた。
人造人間8号に別れを告げ、タワー5階を目指した悟空だったが、4階と5階の間は迷路になっていて、悟空は迷ってしまう。そこに8号が悟空を上の階へと案内するために再び姿を現すと、迷路を歩いていくなかで悟空は何気なく“ハッチャン”と呼びかけた。
自分の呼び名だと思わず「『ハッチャン』てなんだ?」と聞き返した8号は、自分のことだとわかると「ハッチャン…ハッチャン…いいなそれ」と嬉しそうに笑った。悟空と人造人間8号の絆がグッと深まった瞬間だった。
しかし、案内役のはずの8号も覚えているはずの道のりを迷ってしまう。なにを隠そうこの迷路は、最上階を守るホワイト将軍がボタンひとつで壁を操作していたのだ。悟空たちの位置に応じ、壁を動かして上へ通じる階段から遠ざけていた。
ホワイト将軍が操作する装置のモニターは、現在では考えられないような2Dの迷路の中をドット絵のような悟空たちカクカク動くもの。まさに初期のファミコンゲームといった風情だった。ファミコンが大流行していた当時の視聴者のテンションは否が応でも上がってしまったに違いない。また、ホワイト将軍がボタンを連打する様子も当時のコントローラーの操作を彷彿させる。今改めて見返すと、当時夢中になったファミコンに対する情熱も一緒に思い出すかも!?
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