相手のパンチをギリギリまで引き付けて左のショートを一閃。“軽量級らしからぬ”衝撃の一撃KOに観客が騒然となり、実況席の元王者も「速すぎてわからなかった」「倒し方を完全に覚えた」とそのポテンシャルの高さを大絶賛した。
8月31日後楽園ホールで開催された「RISE181」で、松本天志(TARGET SHIBUYA)とJIN(楠誠会館)が対戦し、松本が1ラウンド終了間際に衝撃のKO勝利を収めた。
RISEフライ級2位につける20歳・松本と、他団体での王者経験もある大阪の激闘派18歳JINによる軽量級の対決は、両者譲らない緊迫感あふれた壮絶な打撃戦となった。
ゴングとともに勢いよく左を伸ばす松本に、即反応したJINも接近戦で左右で応戦。やや距離を取りながら蹴りのモーションを見せた松本は、トリッキーな動きで高速バックハンドブローを繰り出すなど、開始数秒で多彩な手数をみせ相手を翻弄する。
その後も松本の強い左インローにJINがローでコツコツと蹴り返すと、今度は松本が上下に打ち分けて強烈な左、さらに強い左ローとアグレッシブな攻撃を見せる。JINも鋭いパンチを持っているが、辛抱強く自らの距離を探りながらの戦い。対する松本はやや荒っぽく前に出てヒザやパンチなどを積極的に打っていく。
互いの真っ向勝負の姿勢がバチバチに絡み合ったのは1ラウンド残り35秒。ブレイクのあとの一瞬の隙に間髪入れず松本がバックスピンキック、負けじとJINも前蹴りで返して松本のバランスを崩す。さらに近い距離での攻防となるが、これを振りほどいで強引にスペースを作った松本は右の頬当たりに強烈な左を放つ。
この一撃が効いたJINは前のめりで捻れるようにダウン。両手足をつきながらも、ゆっくりと回復を試みるが身体が思うように動かず這いつくばったまま動けずここでレフェリーがゴングを要求した。
ファンも「松本すごいな」「これは立てない」「バケモンだ」「パンチ力どうなってんだ」と騒然となるなかABEMAの解説で元RISE王者の一馬も「速すぎて見えなかった」と語る強烈な一撃。その言葉どおりスローリプレイでも松本が左を振り抜いた直後、JINがクロスカウンター気味に空振りで反撃。完全に振り遅れた衝撃のシーンが確認できた。
実況解説の小出アキラアナウンサーが「ショート気味のストレートなんですね…」と驚いたように問いかけると一馬は「相手のフックを待ってかぶせている。あそこまでギリギリまで待てるのはすごい。(松本は)倒し方を完全に覚えちゃった」と解説しながら絶賛した。
那須川龍心とのタイトル挑戦権をかけた戦いに敗れてから復帰後、2戦連続で1ラウンドKOと結果を出し続けている松本。数戦以内に間違いなくタイトル戦線の有力候補として名乗りを上げそうだ。