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【映像】目を潤ませて喜びを語る瑞原明奈

 チームは完全優勝、個人では堂々3位。プロ麻雀リーグ「Mリーグ」U-NEXT Pirates・瑞原明奈(最高位戦)にとっても、昨シーズンは十分満足できる結果が出た。ただし、勝者には勝者なりに、新たな重圧がかかる。むしろ圧倒的に勝ちすぎたからこそ、対選手、対チームではなく「麻雀」という競技そのものの尊厳を守る戦いにもなると考えた。「優勝したチームがコロッと負けられない。麻雀のゲーム性が疑われる」。運の要素も大きい麻雀において、前年の優勝が運だけではないことを自ら証明する戦いが、まもなく始まる。

【映像】目を潤ませて喜びを語る瑞原明奈

―昨シーズン、チームは完全優勝。レギュラーシーズンの個人成績も+378.4。自己評価は。

 瑞原明奈(以下、瑞原) 結果に十分満足できることは、麻雀プロをやっていてあまり多くはないですが、昨年のパイレーツに関しては「満足した」と言っていい結果ではないか、と思います。

―内容のところでうまくできたところは何か。

 瑞原 自分個人だけの話でいうと、まだまだ課題はあって満足したとは言い難いですが、ただ年々、手応えみたいなものは大きくなってきています。自分の戦い方や自分の武器も分かってきた部分が大きいので、そういう意味では自信を持って戦えているというのはあります。

―戦い方、武器という意味ではシーズン中に「ゴリラ」という言葉も出てきた。どういう戦い方のことか。

 瑞原 自分の長所として「ゴリラ」という言葉にも通じますが「鈍感になれることで思い切った選択ができる」のは一つの強みだと思います。

―現体制の4人で2年目。1年目でも「学ぶところが多い」と言っていた。2年目のシーズンで活かせたところはあるのか。

 瑞原 チームワークというのが1年目を通してすごく培われて、麻雀についての議論もすごく活発にできたし、お互いにカバーし合えたというのが結構ありました。誰かがへこんだ時に誰かが勝つ。チームの雰囲気を常に良く保てたというのも良かったです。

―控室での映像も感情を出すシーンがよく見られた。

 瑞原 素で話せる感じになってきたが故に、カメラが回っているのを忘れてしまうようなことも多々あったかな、と思います。それくらいすごくリラックスした状態で控室ではいられているな、という感じですね。

―それが好結果に繋がっている。

 瑞原 自分の麻雀に、変なプレッシャーになっていないな、という感じはします、いい意味で。例えば、この選択をして悪い結果に転がったとしても、チームメイトはこの選択をすることを分かってくれる、みたいな。麻雀で理解し合っているところがあると思うので、そういう安心感と、あとは自分が悪い結果を出しても誰かが勝ってくれる、みたいな期待感と両方あったかな。それが自分が伸び伸び打てる要因になっていました。

―成績次第では、メンバー入れ替えの可能性があった。シーズン序盤でポイントを持てて、心配事から解放された感覚はあったのか。

 瑞原 去年のインタビューで言ったと思いますが、「チームが解体になるかもしれない」みたいな心配は全くなくて、優勝宣言をしたと思うんですよ。「ファイナルに残ります」というだけでなく、優勝すると思っていたので。レギュラーで敗退してチームが解体になってしまうかもしれないという心配は去年、ありませんでした。

 道中、危険なポイント状況になっていなかったというのも大きいと思いますが、結局、最初から最後まで、そのことが頭をよぎることもなく戦えたかな、と思います。

―チームメイトの中で、4人中3人はMVPを争うような好成績。相乗効果なのか、切磋琢磨なのか。

 瑞原 3人共成績が良かったのは終わってみたら、という感じがします。序盤は仲林(圭)さんが突き抜けて、その後、12月は(鈴木)優さんが5連勝を含む大活躍で「MVPが見えるんじゃない?」みたいな話になりました。何かそうしている間に、気付いたら3人とも上位にいる、みたいな感じ。終わってみたら3人とも「すごく大きくプラスで終われたね」と。道中から、そういう印象があったというのは、個人的にはあまりないです。

―その様子を、小林選手はどんな感じで見ていたのか。

 瑞原 剛さんは嬉しかったと思いますよ。自分がどうしてもマイナスすることは麻雀だからありますが、自分のマイナスが増えてしまった時に、チーム状況がプラスなのとマイナスなのとでは、その重さも結構違います。だからマイナスが増えてきてしまっても「チームは安泰だし、みんな勝ってるし、まぁいいか」みたいな感じでいられる時もあったんじゃないでしょうか。

 4人が4人ともプラスするというのは、かなり難しいと思うので、そのマイナス役が「今年は剛さんだったね」という感じ。その中で剛さんも、さほどプレッシャーがかからないくらいチームにポイントがあったということで、チームとしては良かったです。

―今期、新しい選手が2人入った。それぞれの印象はどうか。

 瑞原 竹内(元太)さんは同じ団体なんですが、元々団体内の評価、業界内の評価も高い選手で、最高位も取って最近もタイトルを取って活躍されている方。打ち方としては、繊細より大胆寄りなイメージで、どちらかと言うとMリーグルールに向いているのではないか、と個人的には思っているので、最初に勝たれるとすごく気分良く戦われてしまいそうなので、出鼻をくじきたいです。本音で言うと、そう思っています。

 浅井選手は結構、独特な選択が多い選手という印象。浅井選手の雀風とMリーグがどう反応するかは、やってみないと分からないと思っている部分なので、そこは見て研究します。

―その2人を含めて、選手はグレードアップしている。小林選手曰く「昨年ほどそんないいことはない」と。

 瑞原 あの人はいつもそういうことを言うので(笑)。だいたいネガティブというか、平均値の話をするので。まぁ、そう言うでしょう。

―リーダーはそう言っているが、自身としては「まだまだ昨年以上」みたいな思いでいるのか。

 瑞原 昨年以上というのは正直、私も難しいとは思っていますが、去年あれだけの好成績で優勝を果たしたチームが翌年、コロッと負けるわけにはいかない。そういうことになってしまうと、麻雀という競技、ゲーム性が疑われてしまいます。そういう話になってきてしまうので、今年も勝たなければいけない、という気持ちが強いです。

―例年、具体的な数字の目標は言わない。ただ、昨シーズン前は優勝というワードは出た。他に言っておきたいワードはあるか。

 瑞原 Mリーグはジンクスが強くて、不思議な現象がずっと続くというのがありましたけど、去年は「MVPを取ったチームがいる選手は優勝できない」とか、いろいろと破ったんです。だから、来年はまだ残っているジンクスある「前年度の優勝チームはファイナルに行けない」というのをパイレーツが破る。なので、ファイナルには絶対に行く。かつ連覇ですよね。「連覇したチームはない」というのも打ち破りたいです。

―プライベートの話だが、ファンコミュニティを作った経緯は。

 瑞原 自分のファンの人たちが、麻雀や私自身を軸に繋がって楽しめる空間があったらいいな、と思っていました。そう思ってYouTubeを始めましたが、自分のチャンネルは完全に個人でやっているので、なかなかどうしても更新できない期間が続いてしまったり、やらなきゃいけないことではないから、やらないことが増えてしまったり…。やはり「自分一人だと限度があるな」となった時に、ちゃんとした会社に運営していただいてファンコミュニティを持つのは手だな、と考えました。

 (取材日の)昨日もリーグ戦がありましたが、リーグ戦の間も応援観戦チャットでファンコミュニティに入ってくださっている同士で、チャットで盛り上がってもらえました。そういうことがやりたかったので、すごくいいです。

―Instagramも一生懸命やっていたが。

 瑞原 もう結局、全くやらなくなっちゃいましたね。やると決めないとやらないから。ズボラな性格なので。インスタを頑張っていた時はやると決めたからやれていましたが、やると決めたのをやめたら、全くやらなくなりました(苦笑)。決めないとやらない性格なんですよ。

―瑞原選手が2人の子供を育てながら活躍されている。同じように働くお母さんに勇気を与える存在だ。

 瑞原 Mリーグは夜にやっているので、どうしても夜に家を空けることが増えるんですね。その面で、子供たちに寂しい思いをさせているのは少なからずあるな、と思っていたので、勝たなきゃいけないという気持ちはずっと持っていますね。子供たちに寂しい思いをさせているのだから、勝たなきゃいけない。そういう気持ちは戦う上で、自分の中心にある気持ち。その結果として優勝できたので、御礼にディズニーランドに連れて行きました。喜んでいましたね。

―対局中の表情が豊かで、ファンも沸くところ。思考中は細目になる。目が悪いのか。

 瑞原 何ですかね。ドライアイですが、コンタクトは付けているので、視力はあります。癖ですかね。考える時の癖がいろいろとあって、顎に手を置いたり、いろいろなところを触ったり。麻雀に集中している時ほど、そういう癖が無意識に出てしまいます。

―プライベートでは出ないのか。

 瑞原 でも、ネット麻雀を打っていて難しい局面になると、何故か細目になって考えている時があります。たしかに、麻雀以外だとあまりないかもしれない。でも、分からないです。人狼ゲームをやっている時も出るかもしれない。だから、考える時になるのかな。結構、無自覚です。でも、できることなら治したいな、と思います。やはり理想としてはポーカーフェイスがいいと思っているので。ただ「見せる対局」だから、全員が能面になってしまうとつまらないと思うので、その塩梅は難しいですが、ゲーム性を考えた上での理想はポーカーフェイスだと思っているので、減らしたいです。

◆Mリーグ 2018年に全7チームで発足し、2019-20シーズンから全8チーム、2023-24シーズンからは全9チームに。各チーム、男女混成の4人で構成されレギュラーシーズン各96試合(全216試合)を戦い、上位6チームがセミファイナルシリーズに進出。各チーム20試合(全30試合)を戦い、さらに上位4チームがファイナルシリーズ(16試合)に進み優勝を争う。優勝賞金は5000万円。
ABEMA/麻雀チャンネルより)

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