【明治安田J1リーグ】鹿島アントラーズ2-2サンフレッチェ広島(日本時間9月14日/県立カシマサッカースタジアム)
両チームの指揮官は揃って怒りを抑えられなかった。鹿島アントラーズとサンフレッチェ広島の上位対決で、広島のMF松本泰志がチャージを受けたことをきっかけに、広島のミヒャエル・スキッベ監督が抗議を示す中、最終的には鹿島のランコ・ポポヴィッチ監督が審判との口論の末にイエローカードを掲示される事態に発展した。
68分のことだった。ロングボールからのルーズボール争いの際、広島の松本がピッチ中央で収めて前線に蹴り出すと、アフター気味に鹿島のDF濃野公人のタックルを受けた。
濃野のタックルは相手に足裏を向けてしまっていたため、主審はすぐさまファウルのホイッスルを吹く。広島のスキッベ監督はここで危険なチャージだと猛抗議した。
しかし、中継映像に映し出されたのは鹿島・ポポヴィッチ監督が激昂する姿だった。ファウルの危険度を測るVARチェックが行われている中、テクニカルエリアを飛び出して主審に詰め寄っていく。通訳が止めに入ったものの事態は収まらず、度重なる注意を受けていたこともあり、ポポヴィッチ監督にはイエローカードが提示された。
ポポヴィッチ監督は2022シーズンにJリーグで初となる監督の累積警告によるベンチ入り禁止処分を受けた人物だ。しかし、試合直後には「今日の判定に納得のいかないところがありましたし、フェアプレーはJリーグ全体で大事にしているものなので、そこに関して今日は納得できない部分があったと思います」というメッセージを、物腰柔らかな表情で冷静に伝えるなど、必ずしも感情任せに審判を批判しているわけではないようだった。
とはいえ、国内メディアの中には、記者会見において審判の威圧的な態度に不服があったとの主旨のコメントも出ていただけに、“納得がいかなかった”気持ちは大きかったのだろう。イエローカードが提示された場面では、ファンも「スキッベさんじゃなくてポポヴィッチがあんなキレていたのはなんでなん」「なんであんなポポヴィッチ監督怒ってたん?」と困惑していたが、監督が激昂するだけの理由があったのかもしれない。
試合は2-2の痛み分けに。鹿島は終盤に17歳の徳田誉がクラブ最年少記録のおまけ付きでJ1初ゴールをマークし、ホームでの無敗記録を「18」に伸ばした。ホームで首位チームに負けなかったことや好ゲームを演じたことは、指揮官にとってもプラス材料だろう。
(ABEMA de DAZN/明治安田J1リーグ)