【写真・画像】立憲代表選のカギは「共産党との向き合い」と「推薦人の貸し借り」…740ポイントを取り合う戦いとは? 1枚目
【映像】740ポイントを取り合う戦い(図解)

 23日に投開票が行われる立憲民主党の代表選挙。野党第一党の党首は誰になるのか? 注目ポイントをテレビ朝日政治部野党担当の平井聡一郎記者に聞いた。

【映像】740ポイントを取り合う戦い(図解)

━━立憲民主党の代表選挙は7日告示、対して自民党は12日告示。立憲民主はあえて自民党総裁選に近づけたのか?

「その通りだ。今回の代表選挙はあえて総裁選にぶつけることで埋没を防ぎたいという狙いがあった。来月にも解散総選挙があるとみられる中で、どう与党と対峙し、また他の野党と連携をしていくのか、各候補者が政権交代への道筋を示せるかが最大の焦点になる。最終的な立候補者は野田佳彦元総理、枝野幸男前代表、泉健太代表、そして1期生の吉田晴美衆議院議員の4人となった」

━━4候補の主張は?

「野田元総理は、政治の信頼回復が最優先。政権交代に向けて、日本維新の会も含めた他の野党との連携に力を尽くすとしている。枝野前代表は、人間中心の経済の実現。社会保障、公共サービスの充実や介護など公定価格引き上げなどを掲げている。泉代表は格差是正や教育無償化。特定の政策で一致した党と連立を組む『ミッション型内閣』を主張している。吉田衆院議員は教育政策の充実や消費税引き下げ、食料品の非課税など生活者への政策を掲げている」

━━4人の構図はどのように決まったのか?

「最終的に出揃ったのは告示日当日、4人目の立候補となった吉田衆院議員の届け出が受理されたのは締め切りの1分前だった。立候補には20人の推薦人が必要で、党内136人の国会議員から20人を集めるのは非常にハードルが高い。枝野前代表と野田元総理は比較的スムーズに推薦人を獲得したが、泉代表と吉田衆院議員は調整が難航した」

━━吉田衆院議員の出馬の決め手は何だったのか?

「ジェンダーギャップの是正を掲げる立憲民主党の代表選に女性が出ないのはおかしいという危機感が党内にあった。吉田衆院議員は同じく出馬を模索していた江田憲司元代表代行と候補者の一本化を目指し調整を続けていたが、最終的に消費税減税などで合意し、吉田衆院議員の出馬が決まった。出馬後のぶら下がり取材において、吉田衆院議員は寝不足で目が充血しており、普段はクールな印象がある江田元代表代行もスーツの襟元が汗でびっしょりと濡れており、調整の難航がうかがえた」

━━現職の泉代表が推薦人を集めるのに苦労した理由は?

「4月の3つの補選で全勝した成果から泉代表の再選を推す声は少なくなかった。だが、外交・安全保障の分野で自民党の政策を踏襲して現実路線を歩もうとする中道保守を掲げている野田元総理の出馬を求める声が高まり、ある種同じ路線を掲げる泉代表から支持が離れていった。一時は泉さん自身も出馬を断念するのではないかと言われたが、『実績があるのに出られないのは“いじめているようではないか”といった党全体への危機感もあり最終的には出馬にこぎつけた。とはいえ、党内からは依然として『生きるか死ぬかの総選挙を控えている時に、推薦人すら集められないのは話にならない』と厳しい声もあがっている」

━━9月23日の投開票を迎えるが、どのような仕組みで進められるか?

「端的に言えば740ポイントの過半数を獲った人が新代表に選ばれる。その内訳は衆参の国会議員が272ポイント、公認候補予定者が98ポイント、地方自治体議員と党員・協力党員がそれぞれ185ポイントずつだ。過半数を獲得する候補者がいなかった場合、上位2人による決選投票が行われる」

━━争点は何か?

「大きな争点は『野党連携をどう進めていくか』だ。近く行われる衆議院の解散総選挙について、各選挙区で与野党一騎打ちの構図を作ることが望ましいと4人とも一致している。しかし、野党第二党の日本維新の会へのスタンスでは意見が分かれている。野田元総理は維新との連携も否定しないが、枝野元代表と泉代表は慎重だ」

━━共産党との向き合い方は?

「野田元総理と泉代表は『ともに政権を担うことはできない』としている。枝野元代表も『包括的な連携は難しい』としている。吉田衆院議員は明確には答えていない。共産党との距離感が大きなカギとなる。立憲民主の候補者が一部共産党から支援を受けていた21年衆院選の敗北、喫緊では都知事選の敗北がトラウマとしてあるようだ」

━━それぞれの候補者を支援する議員は?

「推薦人の名簿を見ると、各候補者は基本的に所属するグループから支援を受けている。例えば、野田元総理は花斉会や一清会、枝野元代表は党内最大グループのサンクチュアリからの票が期待できる」

━━現在リードしている候補は?

「まだ見えていない。というのも、ある営が他の陣営に“推薦人を貸す”という行為を行なっている。例えば、吉田衆院議員は野田元総理の陣営から4〜5人ほど推薦人を借りており、泉代表も数名枝野元代表を支援するサンクチュアリから借りている。推薦人で“恩を売る”ことで決選投票になった時に推薦人を借りていた方達が“恩返し”をするパターンがあるため複雑になるのだ。最新の世論調査では野田元総理が3割近い支持を集めているが、結果は投開票日まで全く分からない。特に地方議員や党員の票は予測が難しく、一つのカギになる」
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