アニメ「逃げ上手の若君(にげじょうずのわかぎみ)」(通称:逃げ若)は、2024年7月よりTOKYO MX・BS11ほかにて放送がスタートしました。家族と国を奪った宿敵・足利高氏(あしかが たかうじ)を狙い続ける神出鬼没の少年武将・北条時行の成長を、史実をもとに描いています。
原作は、「週刊少年ジャンプ」(集英社)にて、松井優征氏が連載する同名コミック。単行本は17巻まで発行され、累計発行部数は300万部を突破。第69回小学館漫画賞を受賞した注目作です。
「逃げ若」の世界には、実在した人物が数多く登場します。今回ピックアップするキャラクター・雫(しずく)には、モデルとなった歴史上の人物はいるのでしょうか。雫の年齢・性別などのプロフィールや、声優情報もあわせてご紹介します。
目次
- アニメ「逃げ上手の若君」とは
- アニメ「逃げ若」雫の基本情報
- アニメ「逃げ若」雫はおしとやかでかわいい毒舌家
- 雫の性別は女?男の娘のウワサも…
- 神獣と戯れ、頼重の神力を支える巫女
- 史実には巫女・雫のモデルはいない?
- アニメ「逃げ若」雫の父・諏訪頼重は実在した
- アニメ「逃げ若」雫と主人公・時行との関係
- まとめ
アニメ「逃げ上手の若君」とは
「逃げ上手の若君」の舞台は、鎌倉時代末期から南北朝時代の日本。主人公の北条時行(ほうじょう ときゆき)は、御家人の足利高氏(後の足利尊氏)によって滅ぼされた鎌倉幕府の得宗(とくそう、もしくはとくしゅう)・北条氏嫡流の跡取りです。
鎌倉での穏やかな日常を愛する時行でしたが、謀反によって鎌倉幕府は滅亡しました。家族を失い、時行自身の命も狙われます。時行は諏訪大社の当主で神力を操る諏訪頼重(すわ よりしげ)に導かれ、尊氏を討ち、鎌倉を奪還するため、“逃げ”を極める武将として成長していきます。
アニメ「逃げ若」雫の基本情報
アニメ第1話にて、家臣から逃げる時行の前に登場した美少女が、今回の記事でピックアップする雫です。雫は幼いながら、信濃国諏訪郡を治める諏訪大社の神主・諏訪頼重の側近を務めています。突飛な行動が多い頼重の言動をフォローし、ときに手綱を握るクールなツッコミ役です。同い年の時行を、“兄様”と呼んでいます。
雫の基本情報【プロフィール】
■名前 雫
■年齢 時行と同い年
■性別 女
■家族 父(諏訪頼重)
■役職 巫女
雫は時行と同い年です。時行は第1話で「ニ年後の未来」「十歳のときに」と頼重から言われているので、物語開始時8歳ということになります。
雫は巫女としての適性が高く、神力を操る秘術を使えます。時行の郎党である逃若党(ちょうじゃとう)では、優秀な執事としてメンバーをサポート。戦術やひらめきに優れ、戦闘時はおもに後方支援を担当します。第3話では、牛鬼狩りにて樹上から勝ち筋を指南しました。さらに、原作漫画3巻21話の瘴奸(しょうかん)一派との戦いでは吹き矢で助太刀しています。
日頃から頼重の名代を務める雫は、重臣から厚い信頼を得ています。原作漫画5巻40和にて諏訪神党の軍議に参加した際、雫は伝令中に得た情報を分析し、大将の配置転換を提言。味方の攻勢に貢献しました。
雫の基本情報【声優】
雫を演じているのは、声優の矢野妃菜喜(やの ひなき)さんです。矢野さんの代表作には、「ウマ娘プリティーダービー」キタサンブラック役、「ラブライブ!虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会」高咲侑役があります。声優以外でも、アニメコラボカフェ・SHIROBACOのキャストや、バンドユニット・DUSTY FRUITS CLUBのボーカルとして幅広く活動しています。
アニメ「逃げ若」公式サイトには、矢野さんのキャストコメントも掲載されています。
矢野妃菜喜さんコメント
雫を演じられることが決まった時本当に嬉しかったです。逃若党の一員として皆さんと掛け合いするのが今からとても楽しみですし、どんなチームワークが繰り広げられてアニメが完成されていくのかが楽しみでなりません。雫の冷静な面やお茶目な一面…色んな表情を皆さんにお届け出来るよう精一杯演じさせて頂きたいと思っております。
アニメ「逃げ若」雫はおしとやかでかわいい毒舌家
雫はいつも冷静で、ポーカーフェイスなキャラクターです。巫女らしく、おしとやかで礼儀正しく振る舞いますが、さりげなく父・頼重をけなすシーンもあります。
第一話の初登場時には、頼重の暴走に戸惑う時行に「父様は神力で未来が拾えるのです。祈祷の方は適当だけど」と説明したり、第2話では未来を見通す神力について語る頼重の衣服を整えながら「雑な未来がごく時々ね」とツッコミを入れたりしていました。
雫の毒舌は敵にも発揮されています。原作漫画3巻第23話では、ギョロッと見開かれた目が特徴の敵・小笠原貞宗(おがさわら さだむね)に「その目玉、ヘビにあげて丸飲みするか観察したい」とコメントし、当の貞宗だけでなく時行も「どうしたの!?」と仰天させていました。
雫の性別は女?男の娘のウワサも…
雫は頼重の娘ですが、一部のファンの間では、男性が女の子の格好をしている“男の娘”であるという噂があるようです。雫が男性と考えられるもととなったのは、第4話にて敵方の武将・貞宗が発したセリフにありました。
貞宗は尊氏より、信濃に隠れた北条家の生き残りを探し出せと命じられていました。そのとき、貞宗は尊氏の手の上にいるダニの性別を「オス4匹にメス1匹」と指摘しました。その内訳が、頼重と逃若党メンバーの性別を比喩していると考えられたようです。
神獣と戯れ、頼重の神力を支える巫女
原作漫画3巻第24話にて、雫は諏訪の神域にて神楽舞を捧げます。雫には普通の人には見えない神獣の姿が見えていて、時行に「ここで祈ると見守ってくれるんです」と語りました。最初、時行には踊る雫の周りを無数の光が輝くようにしか見えませんでしたが、雫が時行のまぶたにキスをしたことで、時行にも神獣たちが見えるようになりました。
さらに、雫は聖域の水を汲んだ竹筒にもキスをし、時行に持たせます。その竹筒の水を飲んだ頼重は弱まった神力が回復し、諏訪湖の氷を真二つに割る“御神渡り”を披露しました。
史実には巫女・雫のモデルはいない?
「逃げ若」にて活躍する諏訪大社の巫女・雫は、作品のオリジナルキャラと考えられます。諏訪大社の諸記録である諏訪史料叢書では、頼重の子として時継、高重、高継、萬歳の4人の男児がいたとされています。史料に娘の記述がないため、史実の頼重の娘をモデルにしているのではなさそうです。
アニメ「逃げ若」雫の父・諏訪頼重は実在した
雫の父である諏訪大社の現人神・諏訪頼重は、諏訪史料叢書と大日本史料にその名と功績が記されています。
史実では、諏訪盛高(改名後:頼重)という三河守が存在。生年の情報は不明ですが、「逃げ若」のストーリー同様に頼重が時行を奉じ、息子の時継や滋野一族とともに鎌倉幕府を再興すべく中先代の乱を起こした記録が残っています。
戦国時代にも、同姓同名の武将がいますが、「逃げ若」のモデルとなった頼重とは別人です。
アニメ「逃げ若」雫と主人公・時行との関係
雫の父・頼重が鎌倉幕府の御内人であったことから、時行は雫の主君であり、雫はその郎党という立場です。また、雫は第4話での犬追物での時行と貞宗の対決にて、「あの人はこの先もずっと心に決めた大事な事からは決して逃げない」と発言し、第7話で瘴奸一派と一悶着起きた際は「この村がいくら重要でも兄様の命が大事」と、時行の身を案じます。雫の心には、立場を超えた時行への信頼と情があるようです。
また、雫が時行に特別な感情を持っている可能性もあります。第4話にて、雫は時行の名前を隠すため“時行様”ではなく、「兄様」と呼ぶことにしました。そのとき、いつもはポーカーフェイスな雫が、めずらしくぽっと頬を赤らめています。明確なアピールはありませんが、この先2人がどんな関係になっていくのかにも注目です。
まとめ
アニメ「逃げ上手の若君」逃若党の執事・雫は、諏訪大社の巫女です。現人神・頼重の名代として諏訪神党から信頼され、持ち前の戦術眼とひらめきで主人公・時行を支えています。おしとやかながら、毒舌家というギャップを持ったキャラクターです。
「逃げ上手の若君」の舞台は、日常的に戦が起こる時代です。信濃の国でも、旧政権の後継者・時行を匿う雫たちと、新政権寄りの役人が存在し、ハラハラする展開が続きます。雫たちの戦いの行方はもちろん、雫と時行との関係にも注目しながら、番組を応援していきましょう。
(C) 松井優征/集英社・逃げ上手の若君製作委員会