フランス人女性ドライバー、リル・ワドゥーが、女性ドライバーとしてスーパーGT史上初めて表彰台に登る快挙を成し遂げた。
宮城県のスポーツランドSUGOで開催されたスーパーGT第6戦「SUGO GT 300km RACE」。GT300クラスではレース終盤に白熱したトップ争いが繰り広げられた。PONOS(#45 FERRARI 296)のリル・ワドゥーは、43周目にK.コッツォリーノから首位を引き継ぐと、セーフティカーランで距離が縮まった2位のLEON PYRAMID(#65 AMG)の篠原拓朗と約20周にわたる激しいバトルを展開した。
9月27日に放送された『ABEMA SUPER GT ダイジェスト』では、車間距離がほとんどないまま周回を重ねる2台の激戦をピックアップ。
63周目の「最終コーナー」、勝負に出たのは65号車の篠原だ。得意のコーナリングでインから一気に距離を詰め、「ホームストレート」で仕掛けようとした。しかし、背後からスピードを上げて追い抜きを狙うGT500クラスのARTA(#16 MUGEN CIVIC TYPE R-GT)が迫ってきたため、踏み切ることができなかった。45号車のリル・ワドゥーにとっては危ういシーンだったが、フェラーリ296の力強い走りで距離を保ち、首位を守り抜いた。
その後も一進一退のデッドヒートが続き、迎えた71周目。篠原は再び「最終コーナー」でインから距離を詰め、45号車とサイドバイサイドに並んだ。直線ではフェラーリ296がわずかに優勢だったが、「1コーナー」でのブレーキング勝負で篠原がリードし、見事にオーバーテイクを成功させた。
これには65号車のガレージで見守っていた蒲生尚弥は、拳を突き上げ満面の笑みを見せた一方、首位を明け渡した45号車のK.コッツォリーノは、苦笑いしながら首を横に振っていた。
その後も65号車は好調な走りを続け、後を追う45号車のリル・ワドゥーは初のGT優勝を惜しくも逃したが、2位でフィニッシュ。自身初のスーパーGT表彰台となり、女性ドライバーとしては、1995年の全日本GT選手権を含めると実に29年ぶりの最高位タイ記録となった。にこやかにトロフィーを掲げた彼女にファンからは「歴史的瞬間!おめでとう」「上手いし可愛いし応援したいね」「おめでとうございます!!!次は頂点を!」と快挙を祝う声が寄せられた。
(ABEMA『ABEMA SUPER GT ダイジェスト』/(C)GTアソシエイション)