【写真・画像】亡き夫・叶井俊太郎さんのLINEに送りつづけるメッセージ…倉田真由美さん、思うように進まない遺品整理の状況を明かす 1枚目
【映像】倉田さんが送りつづけているLINEの画面
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 愛する夫の死からおよそ半年…いまも叶井俊太郎さんを思い、涙を流す“くらたま”こと漫画家の倉田真由美さん(53)にABEMAエンタメが独占インタビューを実施。思うように進まないという遺品整理の状況や、何度も涙を流しながらも“夫のことを伝えていきたい”と思う理由を明かした。

【映像】倉田さんが送りつづけているLINEの画面

 夫で映画プロデューサーの叶井俊太郎さんは末期の膵臓がんを患うも、延命治療をしないことを選択。そして、2024年2月16日に56歳で亡くなった。それからおよそ半年…家の中には倉田さんが手放せないという遺品が。

ーー遺品整理というのはどんな状況ですか?

倉田さん:進んでいるものと進んでいないものがありますけど。(ベルトを見せながら)これ見るたびになんか切なくなっちゃうんだけど、ベルトですね。これを見るといつも思い出しちゃうのが、この穴がね、ここあいてるんですけど。これ夫が開けたんですよ。本当痩せちゃったから…病気で。これを自分でキリであけてたんですよね。なんかそのときの後ろ姿を思い出しますね。痩せちゃったから本来無い穴をあけてね。捨てられないものって結局夫とのエピソードがこもってるものなんですよ。

倉田さん:最初の1年までは本当に元気だったし、体重も減ってはいたけど、そこまで…まあ、減ってはいましたかね。でも、元気だったんですよ。だから電車に乗っても席譲ってもらうような人に見えないから。(ヘルプマークを見せながら)それでこれ買ったんですよね。ステージ4のがん患者ですっていうふうに全く見えなかったから、だいぶ長いこと。だから席に座りやすくするように。1回優先席に座っている時に「ここはあんたみたいな人が座る席じゃないわよ」みたいなことを高齢の女性から言われたらしいんですよ。言い返すのも疲れていて面倒だったから黙って席を立った日があったらしくて、それで買ったんですけどね。これに関しては嫌な思い出でもあるから。病気の象徴だし。でもそういうやり取りがあったのでなかなかそういうものはどうしてもね…。

倉田さん:夫が愛用していたものももちろん手放せないしスマホとか手帳とかもそうだし。(手帳を見せながら)夫の字がめちゃくちゃ下手くそなんだけど。それがもう予定が書かれなくなっちゃったからね。でも字が下手なんですよね。またこれがもう。なんて書いてあるか分からないような下手くそな字で。

ーー叶井さんは何日まで予定をつけられてたんですか?

倉田さん:これ2月までは予定があったんです。この日が病院の定期健診に行く日だったの。2月の26日。行けなかったやつですね。

ーー直筆が残っている気持ちは?

倉田さん:なんかやっぱ嬉しいですよね。下手な字なんだけど。

ーーそこにたくさん書いてあるのはなんですか?

倉田さん:これ取材とかの予定です。たぶんね。あと病院も入ってるな。そうそう、ずっと仕事してましたよ。2月に入ってからは会社行けなかったけど。家ではパソコンでメール出したり結構ギリギリまで仕事していました。

 整理できない遺品の中には、使い捨ての日用品もある。

倉田さん:(食器洗い用のスポンジを見せながら)これね、持ってくるのもどうかと思ったんですけど、夫が使っていました。この魚型じゃないと嫌だっていうんですよ。なんか変なこだわりがあって、彼って。私は100円ショップの安いスポンジを使っているんですよね、2個で100円とか、もっといっぱい入って100円とか。でもこれってもうちょっと高いんですよ。2~300円するんだけど、なんかどうしてもこれが良くて、魚型のやつをずっと使っていたんですよね。夫がやっていた家事のうちのひとつが皿洗いだったので。だからこれ汚いんだけど捨てられなくてね。

倉田さん:あと歯ブラシね。これもこだわりだったみたいですよ。この間、妹が来たときに「もうこれ捨てちゃっていいんじゃない?」って言われたんですけど。歯ブラシ入れに入れてたんですよ。「だからもうこれいいんじゃない?」みたいに言われたんだけど私は「もうちょい待って」って。今となっては物でしかないのに。でもなんかなかなか捨てにくいですね。

亡き夫のLINEに送りつづけるメッセージ

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 いい思い出から、苦い思い出まで…夫との大切な記憶を繋ぐ形見が並ぶ中、特に心を揺さぶられるものが…

倉田さん:(スマートフォンを見せながら)ずっと携帯はそのままにしていて。夫の携帯を解約したくなかったんですよね。電話番号をいかしたくて。夫が使ってたやつ。この電話番号が人のものになっちゃうのは嫌だなと思って。電話番号があるからって使うわけでもないんだけど。あと電話番号がなくなるとLINEとかを使うことができなくなるみたいなんですよね。別にもう本人いないからLINEを使うってこともないんですけど。ただやっぱり残しておきたい。履歴自体は残るみたいだけど、なんか残しておきたくて。安いプランにして、実際はほとんど使わないんだけど多分もうこのまま払い続けるんじゃないですかね。私が死んだら私の電話番号と一緒に解約してもらってもいいけど今はまだ嫌かな。

 倉田さんは解約できないスマートフォンに夫の面影を重ねているという。

倉田さん:LINEを出してしまったりすることありますね。なんか特に酔っ払って帰った時なんだよね。「父ちゃん」とかね、「会いたいな」とかね。返事が返って来ないのは分かっているんだけど。あと夫のLINEのアイコンが下の方に沈みすぎるのが嫌なんですよね。だから時々、絶対既読にはならないんだけどメッセージを出しちゃうことあるな。

倉田さん:(叶井さんとのLINEのやりとりを見せながら)LINEの中身はまあこんなんですね。ちょっと恥ずかしいからこの辺はやめてほしいな。ひと月に2回とかそんなもんですね。やっぱりなんかもう使わないんだけどね。これは意外でしたね。私、自分で結構ドライっていうのとは違うけど、意味の無いことしてもしょうがないでしょうってわりと思う方なんですよね。はっきり言って無駄でもあるから。でもそういうことが自分でも知らなかった自分が結構いましたね。こんなにもうなんか毎日のように泣いちゃう時間があるんで、これも意外だった…うん。夫が知ったら多分笑うだろうなと思うし、夫は絶対そういう人じゃないから「あんたまだ泣いてんの?」って絶対言われるんだけど。泣かずに夫のことを話せるようになりたいなって思いますね。もっと明るく。

ーー今日LINEを送るとしたら何と送りますか?

倉田さん:なんだろう。「今日もまた父ちゃんのことでいっぱい泣いちゃったよ」っていう感じですかね。いつも泣いてるんだけど。

“夫のことを伝えていきたい”理由とは

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 インタビュー中、叶井さんとの日々を思い出し、何度も涙を流した倉田さん。それでも最愛の夫との別れを語るのは、胸に秘めた“ある思い”があったからだった。

倉田さん:夫のことはね、伝えていきたいんですよ。だから夫の漫画も描きたいし。私が死んだら夫のエピソードが私しか知らないやつ全部この世から消えちゃうじゃないですか。だから死ぬまでに夫のことはね、書き記したり話したりこうやって話していきたいなって思うんですよね。

 “夫のことを伝えていきたい”そう語る倉田さんは、闘病生活を漫画にしている。しかし、そのストーリーは途中で終わったままだ。最後に、漫画の続きが描ける日が来るのか?と聞くと…

倉田さん:漫画、途中なんですけどね。描くエピソードいっぱいあるんだけど、夫が生きている時に描いたネームとかもあるんだけど、泣けて泣けてね。まだなんか漫画で描く夫ってあまりにも夫すぎてちょっと描けないんだよね。いつか描けたらいいなと思いますけどね。漫画でセリフを言わせると、私の中でその作業って昔からしていることだから、あまりにもね、夫すぎるんですよ。私が描くと私にはそう見えちゃうから。でも描きたいですね。本当に出さずに死ねないぐらいの感じですよ。夫のことはね、私の夫じゃなくても好きだったと思うから…。すごく面白い人なんです。だからその面白さを伝えていきたいなと思っています。

(『ABEMA NEWS』より)

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