いわゆる「袴田事件」で、半世紀にわたり死刑囚として生きてきた袴田巌さんに無罪判決が下った。9日、袴田さんの無罪が確定したが、新たな問題が浮き彫りとなった。
 今回の無罪確定は、同時に検察の姿勢、本質が改めて問われることに。検察は、畝本直美検事総長が異例の談話を発表した。
「本判決が『5点の衣類』を捜査機関の捏造と断じたことには強い不満を抱かざるを得ません。しかしながら、再審請求審における司法判断が区々になったことなどにより、袴田さんが結果として相当な長期間にわたり法的地位が不安定な状況に置かれてきたことにも思いを致し、熟慮を重ねた結果、本判決につき検察が控訴し、その状況が継続することは相当ではないとの判断に至りました」(畝本氏)