身に覚えのない不動産をめぐる横領事件で大阪地検特捜部に逮捕され、248日間拘留されたのちに無罪判決となった不動産会社プレサンスコーポレーション元社長の山岸忍元社長。
逮捕の決め手となったのは、同じく逮捕された部下への違法性の高い取り調べで、山岸氏は検察の違法な取り調べに対して、国家賠償請求訴訟を起こした。
裁判では担当検事が出廷。無罪判決については「残念な判決。有罪維持に十分だと思っていた」と発言。山岸氏は「あの瞬間は全身に電気が走った。だったらあなたたち、どうして控訴しなかったの?という話。自分たちの主張が正当だと思っているのであれば控訴しなさいよ。検察側のほうが圧倒的優位な立場で裁判やっているわけだから」と怒りをあらわにした。
事件の弁護を担当した元検事の亀井正貴氏は、初期段階で証拠を見たときには「これでは起訴できないだろう」という感想を持ったそうで「捜査過程にいろいろ問題はあるけれども基本的に一番大きな問題は、山岸さんを起訴したこと」とコメント。
古巣の大阪地検の担当検事が「非常に残念」と証言したことについて、亀井氏は考え方が2つあるとして「1つは証拠上、有罪立証できないなと思ったが、いまさら間違いは認められない。もう1つはこの事件、起訴していること自体『大丈夫かそのセンスは』と。証拠の読み方や分析の仕方が間違っている人ではないだろうか、と思ってしまう」と厳しかった。
「この検事は以前から数件一緒にやり合った検事」と語った亀井氏は「非常に真面目な検事で緻密であることはわかるが、トータルとして大きく物事を捉えておられたのか」と疑問を投げかけた。
また、亀井氏は「共犯者がいて最後に山岸さんが逮捕されたが、そこに至るまでの期間が短い。ブツ読み(証拠物の精査)の時間としては短すぎる」と指摘して「もっとかけないといけないのをかなり圧迫してやっている。消極証拠を見逃したか、その評価を誤ったか。この事件は年末にやっているので、『年を越せない』と、年末にやるために無理をしたのではないか」と分析した。
違法性の高い取り調べのシーンを動画から探す作業については「特捜部が取り調べをする時間というのは非常に長い。どこに穴があるのかを見つけるのはなかなか難しかった。山岸さんは経済力があるので、それを分析するだけの人員を整えることができた」「各自が主任をはれるレベルの弁護士が集まっているうえに優秀な若手の弁護士がさらに複数名いた。その人たちが録音録画を分析して、相当数の人員をかけて弁護した。そういう意味ではかなり特殊な事案」と解説した。
(『ABEMA的ニュースショー』より)
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