【W杯2026アジア最終予選】日本代表 1-1 オーストラリア代表(10月15日/埼玉スタジアム2002)
オーストラリアのファンは納得がいかなかったようだ。日本代表は10月15日、FIFAワールドカップ2026・アジア最終予選(3次予選)第4節でオーストラリア代表と対戦。いずれもオウンゴールによる1-1のドロー決着という珍しい結末を迎えた。
58分に谷口彰悟のオウンゴールで今予選初失点を喫した日本代表だったが、76分に同点弾。左サイドでFW中村敬斗がドリブルでDFルイス・ミラーをドリブルで突破すると、深い位置でDFパトリック・ヤズベクも抜き去る。そこから上げたクロスがDFキャメロン・バージェスの足に当たって、オウンゴールに繋がった。
このシーンで肝となったのが、FW三笘薫のブロックだ。中村に抜かれたミラーは何とか粘って追いかけようとしたが、そこに三笘がスッと身体を入れてブロック。ミラーは転倒し、追いかけられなかった。
バスケットボールにおける「スクリーン」によく似たこうしたプレーは、サッカーだと「オブストラクション」(現代だと「インピード」の呼び名も)としてファウルを取られてしまうケースもある。しかし、今回は笛が鳴らず、VARチェックなども入らなかった。
三笘の隠れたファインプレーには、日本のSNSだと「三笘のバスケのような壁もよかったな」「三笘のスクリーンが今日のハイライト」「本当に三笘のスクリーンはナイスアシスト」など称賛の声が上がった。
しかし、オーストラリアのファンは反対の意見。SNSでは「妨害だ」「あからさまなオブストラクションを主審が見逃した」「ミラーにファウルしただろ?」「なぜオブストラクションにならない?」など物議を醸している。
ただし、サッカーの競技規則的を見ると、今回はレフェリーが正しいだろう。第12条ファウルと不正行為には、「ボールが両競技者のプレーできる距離内にないとき、相手競技者の進路に入り込み、その進行を妨げる、ブロックする、スピードを落とさせる、進行方向の変更を余儀なくさせることは間接フリーキックに該当する」とあるが、一方で「すべての競技者は、競技のフィールドにおいてそれぞれ自分のポジションをとることができる。相手競技者の進路上にいることは、相手競技者の進路に入り込むことと同じではない」とある。
今回の三笘は、ミラーに「当たりにいった」わけではなく、「進路上にいた」だけ。それゆえに主審やVAR担当もファウルを取らなかったと予測できる。オーストラリア・ファンの主張は、正当性に欠けていると言える。