「〈物語〉シリーズ」のヒロインの１人にして、主人公・阿良々木暦（あららぎ こよみ）を吸血鬼の眷属にしてしまった忍野忍（おしの しのぶ）。この記事では、アニメ未放送のネタバレに配慮しつつ、忍の本名や二つ名、来歴、能力、暦との関係などをとことんチェックしていきます。
目次
- 「〈物語〉シリーズ」とは
- 忍野忍のプロフィール｜本名、来歴は？
- アニメ「〈物語〉シリーズ」忍野忍の声優は？
- アニメ「〈物語〉シリーズ」忍野忍の吸血鬼としての能力は？
- アニメ「〈物語〉シリーズ」阿良々木暦と忍野忍の関係は？
- まとめ
「〈物語〉シリーズ」とは
人気小説家・西尾維新（にしお いしん）氏の代表作として名高い「〈物語〉シリーズ」は、お人好しな男子高校生の暦とその周囲にいる少女たちが、神や妖怪、幽霊などといった「怪異」にまつわる事件に巻き込まれていく様子を描いた青春伝奇ライトノベル。原作小説が刊行され始めたのは2006年で、18年にわたって既刊30巻をリリースしている大長編シリーズとなります。
物語は2024年現在で6部構成となっており、そのうち1～3部に相当するファースト、セカンド、ファイナルの各シーズンはすでにアニメ化されて放送済み。2024年7月から新たにオンエアされた第4部のオフシーズンはヒロインたちの後日談を、第5部のモンスターシーズンは暦の大学入学後を描いた物語となっています。
忍野忍のプロフィール｜本名、来歴は？
プロフィール
■年齢：「セカンドシーズン」の「まよいキョンシー」（8月20日）時点で598歳と11か月
■誕生日：不明
■身長：不明
■体重：不明
忍の本名や二つ名は？
忍は8歳程度の容姿を持つかわいい金髪幼女で、本名はキスショット・アセロラオリオン・ハートアンダーブレード。その正体は「鉄血にして熱血にして冷血の吸血鬼」「怪異の王にして最強の怪異」などと呼ばれた元人間の吸血鬼です。アニメ初登場は「化物語」の「ひたぎクラブ」ですが、この時は力どころか名前さえ失った「吸血鬼のなれの果て」として怪異の専門家・忍野メメ（おしの めめ）に保護されており、口も利かずにふさぎ込んでいました。
その後、「猫物語（黒）」の「つばさファミリー」で、怪異によって暴走した羽川翼（はねかわ つばさ）を鎮静化させた功績で、メメから忍野の名字と「ハートアンダーブレード」を「刃の下に心あり」という読み方で「忍」とした名を与えられ、忍野忍と名乗るようになりました。メメが街を去ってからは暦の影の中に潜んでいましたが「偽物語」の「かれんビー」で暦と和解、以後は「ぱないの！」など頭の悪い名言を連発するほど暦と打ち解けています。
忍の来歴は？
その来歴は約600年前にまでさかのぼります。当時、小国の貴族令嬢としてアセロラと名乗っていた忍は、その美貌を「うつくし姫」と称えられていましたが、内面を見てもらえないことに悩んでいました。
そこで、魔女の贈り物として内面が見えるようになる魔法がかけられたのですが、内面の美しさを見た人々が命を捧げて死んでいったため、忍は放浪の旅に出てスーサイドマスターという吸血鬼と出会い、その眷属として吸血鬼化します。この辺りは、アニメ「オフ＆モンスターシーズン」の「残酷童話 うつくし姫」や「業物語 あせろらボナペティ」で描かれています。
そんな忍が暦と出会ったのは「傷物語」でのこと。死に場所を求め400年ぶりに日本を訪れた忍は、吸血鬼ハンターたちから襲われたところに通りかかった暦に助けを求め、暦の血を吸って吸血鬼の眷属にしてしまいます。
暦の活躍で吸血鬼ハンターは撃退しましたが、暦が人間に戻ることを希望し、その方法が忍の死だけだったことから、忍は暦のために死ぬことを決意。しかし、その思惑を羽川に見破られ、メメの発案で暦が限界まで忍の血を吸ったため、忍は力を失って幼女の姿になり、暦を恨んで口も利かずにふさぎ込むようになったのでした。
アニメ「〈物語〉シリーズ」忍野忍の声優は？
忍役の声優は坂本真綾（さかもと まあや）さん。8歳の頃から子役としてCMソングやナレーション、洋画の子役の吹き替えなどの仕事をしてきたベテランで、アニメ声優としては1996年にTVアニメ「天空のエスカフローネ」のヒロイン・神崎ひとみ役に抜擢されたことからブレイクしました。2011年に声優の鈴村健一（すずむら けんいち）さんと結婚しており、発表時は人気声優同士の入籍で話題となっています。
アニメ声優としての代表作は「ヱヴァンゲリヲン新劇場版」真希波・マリ・イラストリアス役、「鬼滅の刃」珠世役などが挙げられます。また、ゲーム声優としてもよく起用されており、「Fate/Grand Order」レオナルド・ダ・ヴィンチ役やジャンヌ・ダルク役、「ファイナルファンタジーVIIリメイク」エアリス・ゲインズブール役などでも有名です。
さらに舞台女優・歌手としても名を馳せており、舞台女優としては2012年に第38回菊田一夫演劇賞で演劇賞を受賞。歌手としては「カードキャプターさくら」OP主題歌「プラチナ」、「マクロスＦ」OP主題歌「トライアングラー」などアニメタイアップ曲で知られる一方、2011年に発売したオリジナルアルバム「You can't catch me」でオリコン週間アルバムチャートの1位を獲得しています。これは、声優単独としては史上2人目となる快挙でした。
アニメ「〈物語〉シリーズ」忍野忍の吸血鬼としての能力は？
並外れた再生能力
先に触れたように、忍は暦に血を吸われて力の大半を失っていますが、「怪異の王」とまで呼ばれた忍本来の能力はあらゆる面で規格外。その気になれば10日で世界を滅ぼせると評されており、事実、アニメ「セカンドシーズン」の「まよいキョンシー」では、過去改変の結果として忍が滅ぼした後の世界が描かれていました。
その忍本来の能力ですが、再生力が異常に強いのが特徴で、これにより日光など吸血鬼の弱点の大半を無効化しています。「傷物語」で吸血鬼ハンターが忍を追い詰められたのは、メメが忍の心臓をこっそり奪い取って弱体化させていたからなのですが、このエピソードは2016～17年公開の「傷物語」劇場版三部作では描かれていたものの、2024年公開の新版「傷物語-こよみヴァンプ-」ではカットされていたので、知らなかった人もいるかもしれませんね。
無から有を生み出す物質創造能力
そのほかにも、エナジードレインや怪異を食べる能力、影に潜る能力などは、弱体化して幼女の姿となった忍でも使用可能。また、あらゆるものを一瞬で具現化する物質創造能力も持っており、暦の影の中でニンテンドーDSを創造して遊んでいたことから、幼女の姿となった状態でも条件を満たせば使えるようです。もちろん吸血鬼として血を吸うことで人を眷属にすることもでき、暦は忍にとって2人目の眷属となります。
ちなみに1人目の眷属は、400年前の日本で怪異殺しと呼ばれていた武士・死屍累生死郎（ししるい せいしろう）。忍の眷属となって数年後に自ら太陽の下に身を投げ出し自殺しましたが、「終物語」の「しのぶメイル」で復活、暦との一騎討ちの末に忍に食べられ消滅しました。なお、忍は生死郎の妖刀・心渡（こころわたり）のレプリカを引き継いでおり、物質創造能力で具現化して振るうことができ、そのために生死流という剣術も修めています。
アニメ「〈物語〉シリーズ」阿良々木暦と忍野忍の関係は？
そんな忍と主人公・暦の仲は非常に複雑。出会ったばかりの「傷物語」では、暦のために命を投げ出そうとしていた忍ですが、その決意を無碍にされて暦に力を奪われることになりました。そのため「化物語」では不貞腐れて口を利こうとしなかったのですが、前述のように「偽物語」の「かれんビー」で暦となし崩し的に和解しています。
その後の忍は、暦を「お前様」と呼んでよく懐いており、享楽的かつおしゃべりな本来の性格を表に出すようになりました。女子小学生の幽霊・八九寺真宵（はちくじ まよい）にセクハラしようとした暦に嫉妬して「吸血鬼パンチ！」と物理的制裁を加えたり、暦にキスされてうろたえたりと、暦を憎からず想っていることがわかるシーンもたびたび描かれています。
また、アニメ「セカンドシーズン」の「まよいキョンシー」では、過去にタイムスリップして幼い頃の暦に遭遇。たった一目見ただけで取り乱してしまい「うおっ！ 超かわいい！ 後ろから襲ってハグしてきてもよいかの！」との妄言を口にしていました。幼い異性に執着する変態じみたところは、暦とは似た者同士なのかもしれませんね。
まとめ
以上、アニメ「〈物語〉シリーズ」を彩るヒロインの1人にして、怪異にまつわる物語の元凶とも言うべき忍野忍の基本的な情報をまとめました。「オフ＆モンスターシーズン」でも「残酷童話 うつくし姫」や「業物語 あせろらボナペティ」でメインを張った忍ですが、彼女の活躍は「オフ＆モンスターシーズン」の後も続きます。
原作小説が刊行されて間もない「ファミリーシーズン」の「戦物語」では、暦との関係が大きく変化するので、ファンは今後も目を離さないようにしたいものですね。
(C)西尾維新／講談社・アニプレックス・シャフト
