プルプルと揺れる謎の物体…その正体は、書道に欠かせない“あるもの”だったことに、SNSでは驚きの声があがっている。
 投稿者は、奈良県で150年続く墨工房の老舗、「錦光園」の七代目である長野睦さん。一見すると、こんにゃくや羊かんのようにも見えるこの物体は、実は書道に欠かせない「墨」の製造途中の姿なのだという。
 「錦光園」で製造される「油煙墨」は、菜種油などを土器で熱して付いた「煤」を回収し、天然接着剤の「膠」と混ぜ合わせるところから製造工程が始まる。それを木型に入れて水分を飛ばし、半生の状態になったものを新聞紙に挟み木の灰に埋めて乾燥させ、さらに3か月から6か月ほど自然乾燥させるのだとか。その後、磨きや彩色の工程を経てようやく墨が完成するそうだ。