「後払い決済サービス」の普及が国内外で進んでいる。一方で、そのリスクから規制が始まった国もあり、先週日本でも規制に向けた動きがあった。
そもそもなぜ「後払い決済サービス」は普及したのか?
◼️“ある詐欺的な商売”にBNPLが悪用?
国内外の決済サービス事情に詳しいコンサルタントの山本正行氏は次のように説明した。
「後払い決済サービス=BNPL(Buy Now Pay Later)は、クレジットカードを持てない人にとっても便利だ。また、クレジットカードを持っている人の中にも『信用スコア』に影響を与えるクレジットの利用を控えて日常的に利用する上で便利な方法として使っている人もいる」
一方で信用度の低い人や低年齢の人でも使えることから、結局、支払えない、支払いが遅延するなどの問題が発生し、規制が進んだという。
「BNPLを使わせるときには一定の確認やチェックを銀行などと同じレベル、あるいは多少緩和した水準で義務付ける。世界的にそうした流れになっている」
日本でもBNPLが広まりつつある中、24日、金融庁の金融審議会で「消費者トラブルを防止するために規制を検討すべき」という意見が交わされた。
そして今日本で“ある詐欺的な商売”にBNPLが悪用されていると警鐘を鳴らしている。
「日本で多いのは、定期購入の問題だ。サプリメントなどを最初は無料や2000円でお試しとして誘導して申し込ませて解約ができないようにしたり、申し込み時に虚偽の表示をするなどの手口がある」
現状の規制では、悪質な販売店が“すり抜ける隙間”があると山本氏は指摘する。
クレジットカードを使って販売しようとする事業者は法律の規制があり、カード会社から厳しくチェックを受けるが、割賦販売法の規制を受けるカード会社との契約ができない事業者でも、規制のないBNPLは利用できるという。
◼️ダークパターンの誘導に注意
BNPLの悪用について、ダイヤモンド・ライフ副編集長の神庭亮介氏は「NISAやiDeCoといった資産を増やすための“攻めのマネー教育”だけでなく、普段のお金の使い方やお金を失わないための“守りのマネー教育”も必要」とした上で“ダークパターン”による誘導について警鐘を鳴らした。
「ウェブサービスには『単品購入と定期購入をわざと混同させる』『なかなか解約させないようにする』『今何人の方が見ています、と焦らせる』など、人間心理を巧みに突いたサイトも少なくない。これはダークパターンといって、行動経済学の知見を悪用したものだ」
「ダークパターンはこれまでにもあったが、BNPLの普及でリテラシーが十分でない人たちも決済手段を得たことで、よりダマされやすくなっているのではないか。広くリスクをアナウンスし、貸出の上限額を設けるなど規制強化についても考えていくべきだ」
◼️もし、詐欺的な定期購入商法に遭ったら
(『ABEMAヒルズ』より)
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