【明治安田J1リーグ】湘南ベルマーレ 1-1 北海道コンサドーレ札幌(11月9日/レモンガススタジアム平塚)
千載一遇のチャンスを逃し、ベンチが総崩れした瞬間だった。北海道コンサドーレ札幌のMF浅野雄也が、湘南ベルマーレ戦の試合終了間際に無人のゴールに蹴り込んだシュートは無念の枠外へ。逆転勝利を手繰り寄せることができなかった場面に、ファンも悔しさを募らせている。
J1残留のために何がなんでも勝利したい札幌にビッグチャンスが訪れたのは、1-1で迎えた90分のことだ。自陣からカウンターを発動し、左サイドを抜け出すFW鈴木武蔵にスルーパスが出ると、これはボックス内を大きく飛び出した湘南のGK上福元直人にインターセプトされる。
しかし、上福元がまさかのパスミス。ボールは湘南陣内の中央左寄りにいた浅野の元へと転がっていった。まさかのビッグチャンスに浅野は左足ダイレクトでシュート。約30mの位置からノーマークの状態で蹴り込まれたシュートは、相手DFの頭上を越えてゴールに向かっていく。湘南の選手も必死にカバーに戻る中、カーブ回転の掛かったシュートはわずかに枠の右へと外れてしまったのだ。
距離も角度も簡単ではないとはいえ、無人のゴールへのシュートだっただけに悔やまれる一撃。解説の永井雄一郎氏は、「(湘南が)繋ごうとしたボールを上手く奪ってシュートまでいきましたけど、巻きが強く掛かりすぎましたね」と失敗の要因を分析している。
決定的なチャンスを決められなかった浅野の顔がゆがむ中、札幌のミシャ(ミハイロ・ペトロヴィッチ監督)はテクニカルエリアの最前列でうつ伏せになり、戦況を見つめていた札幌ベンチも、湘南の地に駆けつけたスタンドのファンも頭を抱えながら総倒れとなって、悔しさを滲ませていた。
嘆いたのは現地だけではなかった。SNS上でも「強い風が吹いたのか、曲がりすぎたな」「浅野今の決めてぇぇぇぇ」「ミシャが新喜劇みたいに転んでるやんw」「浅野今の決まってたら神のゴールだったよ」「それ決めてくれ!」といった悔しさをぶつけるようなコメントであふれ返った。
試合は1-1のままタイムアップ。他会場の試合結果を受けて、湘南は残留が確定。一方、逆転勝利を逃した札幌は19位のまま。浅野のゴールが決まって勝点3を獲得していれば18位に浮上し、残留圏17位の柏レイソルと勝点3差となっていただけに、悔やんでも悔やみ切れない結果となった。
(ABEMA de DAZN/明治安田J1リーグ)