■架空の“履歴書の顔写真”を人事担当者に見せると…現れるバイアス
NPO法人マイフェイス・マイスタイル代表の外川浩子氏は、ルッキズムについて「本当に悩んでいる人が安心安全に生きていく社会の土台ができていない。“あなたのままでいい”“それは個性だから大丈夫”と言われても、(ルッキズムに苦しむ人は)言葉が出ない。それは強い側の意見であって、フェアな感じがしない」との現状認識を示す。
そんな中、「履歴書の顔写真が及ぼす影響」を調査した内容が話題になっている。架空の人物の写真を用意し、メガネ、茶髪、肥満、円形脱毛症などの特徴を加工。それらを貼った履歴書を人事担当者に見せたところ、もっとも低く評価されたのは円形脱毛症の男性、その次が肥満の女性だったのだ。
調査した中京大学講師の矢吹康夫氏は「仕事ができるかできないかとは全く関係がない外見の良し悪しによって、良い評価・悪い評価をしている。不平等な異なる取り扱いをしているという点では、差別になる。そこが問題であり、ルッキズムだ」と指摘している。
SNSでは、見た目の話をするだけでルッキズムだと言われるという声もある。外川氏は「見た目がわかりやすいポイントなのは事実。なので、子どもが同じようにいじることがあるけれども、それをすべてダメだとするのは行き過ぎだ。どうしてそう思うのかをうまく引っ張り出して、“それも多様性だよね”という方向に繋げていければいいと思う」と述べる。
その上で、「“人間は見た目にこだわってしまう生き物なんだ”“そもそもそういう素質を持っているんだ”というスタートラインに立つ。見た目のことをもう1回考えようということだ」と促した。(『ABEMA Prime』より)
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