2024年秋クールで放送中のTVアニメ『チ。 ―地球の運動について―』。異端思想とされている「地動説」を証明するために、命をかけて奮闘する者たちの物語です。
魚豊(うおと)氏が連載していた同名マンガ(全8巻)が原作で、『このマンガがすごい!2022』のオトコ編では藤本タツキ(ふじもと タツキ)氏の『ルックバック』に次ぐ第2位に選出されました。
この記事では、アニメ『チ。』の各話・各章のあらすじをまとめました。
目次
- アニメ『チ。』の作品概要
- 第1章(第1話〜第3話)のあらすじ
- 第2章(第4話〜)のあらすじ
- 『チ。』は実話?登場人物は実在する?
- アニメ『チ。』あらすじのまとめ
アニメ『チ。』の作品概要
「天動説」が信じられていた時代に、命の危険をかえりみずに異端思想とされている「地動説」の研究をする人々を描いた作品。テレビアニメはNHK総合テレビにて2024年10月5日より毎週土曜23時45分〜放送中です。各話の放送終了後には、ABEMA(アベマ)で無料独占・見放題最速配信。連続2クール(全25話)での放送が決定しています。
原作は2020年9月〜2022年4月まで「週刊ビッグコミックスピリッツ」で連載されていた同名漫画。原作では4つの章に分けられてストーリーが紡がれ、各章ごとに主要キャラクターが異なります。
イントロダクション
2022年4月の「ビッグコミックスピリッツ」での連載終了、そして6月のアニメ化発表から2年―。
いよいよ2024年10月、TVアニメ放送開始。
15世紀のヨーロッパ某国。飛び級で大学への進学を認められた神童・ラファウ。
彼は周囲の期待に応え、当時最も重要とされていた神学を専攻すると宣言。
が、以前から熱心に打ち込んでいる天文への情熱は捨てられずにいた。
ある日、彼はフベルトという謎めいた学者と出会う。
異端思想に基づく禁忌に触れたため拷問を受け、投獄されていたというフベルト。
彼が研究していたのは、宇宙に関する衝撃的な「ある仮説」だった――。
第1章(第1話〜第3話)のあらすじ
物語の舞台は15世紀のヨーロッパ某国。12歳でありながら飛び級で大学進学を認められた神童・ラファウは、天文学への興味を持ちながらも周囲の期待に応えて神学を専攻することを決めました。ある時、ラファウは異端な研究をして投獄されていた男・フベルトと出会います。
地球が宇宙の中心という「天動説」が信じられていた中、フベルトが研究していたのは地球が自転や公転をしているという仮説「地動説」でした。フベルトから「地動説」を聞かされたラファウは、禁じられた思想だと理解しつつも「地動説」への興味を抱いていきます。
【第1章の主な登場キャラクター】
ラファウ:聡明で世渡り上手。「地動説」に触れてから知的探究心が抑えられなくなる。
フベルト:「地動説」を研究して幽閉されていた異端者。
ノヴァク:仕事であれば残酷な拷問も平気でおこなう異端審問官。
第1話「『地動説』、とでも呼ぼうか」のストーリー
舞台は15世紀のヨーロッパ某国。飛び級で大学への進学を認められた神童・ラファウ。彼は周囲の期待に応え、当時最も重要とされていた神学を専攻すると宣言。が、以前から熱心に打ち込んでいる天文への情熱は捨てられずにいた。
ある日、彼はフベルトという謎めいた学者と出会う。異端思想に基づく禁忌に触れたため拷問を受け、投獄されていたというフベルト。彼が研究していたのは、宇宙に関する衝撃的な「ある仮説」だった――
第2話「今から、地球を動かす」のストーリー
フベルトの提唱した「地動説」は少年ラファウに大きな衝撃を与える。その考えが教会に対する異端思想であると頭では理解しつつも、知的探究心は抑えられない。そんな折、フベルトは傭兵上がりの異端審問官・ノヴァクに捕らえられ、あえなく処刑されてしまう。彼が死の間際にラファウに託したのは、天体を模したペンダントだった。ラファウはそれに秘められたメッセージを読み取り――。
第3話「僕は、地動説を信じてます」のストーリー
フベルトの提唱した「地動説」は少年ラファウに大きな衝撃を与える。その考えが教会に対する異端思想であると頭では理解しつつも、知的探究心は抑えられない。そんな折、フベルトは傭兵上がりの異端審問官・ノヴァクに捕らえられ、あえなく処刑されてしまう。彼が死の間際にラファウに託したのは、天体を模したペンダントだった。ラファウはそれに秘められたメッセージを読み取り――。
第2章(第4話〜)のあらすじ
第1章から10年後。ネガティブ思考の代闘士・オクジーは、同僚のグラスと異端者を護送する任務にあたります。グラスは異端者の言葉に心を動かされて異端者を逃がそうとするも、ノヴァクと敵対することになり異端者は殺されました。巻き込まれてしまったオクジーはグラスと共に行動し、異端者が話していた石箱を発見します。
優秀な修道士・バデーニに石箱を見せるため村に向かうオクジー達でしたが、道中で橋が崩れてグラスが転落。1人でバデーニのもとを訪れたオクジーは、元の生活に戻ることを望みながらも「地動説」に関わっていくことになります。
【第2章の主な登場キャラクター】
オクジー:代闘士。「地動説」に関する研究資料が入った石箱を発見。
バデーニ:修道士でありながら禁忌に触れたことで左遷された。
ヨレンタ:天文研究助手。有能ながら女という理由で研究に参加させてもらえない。
第4話「この地球は、天国なんかよりも美しい」のストーリー
ラファウの死から十年後――。代闘士のオクジーは気乗りのしない仕事で日銭を稼いでいた。同僚のグラスは天体を観測し、ある法則を見出すことに生き甲斐を感じているが、オクジーは現世に希望を見出せず、早く天国に行くことだけを願っていた。
ある日、彼らは一人の異端者を護送する任務を負うことになる。その異端者の言葉に警戒心をもつオクジー、一方徐々に心を動かされていくグラスだったが――。
第5話「私が死んでもこの世界は続く」のストーリー
異端者の言葉に感化されたグラスは任務を放棄し、ノヴァクと敵対する事態に。巻き込まれる形となったオクジーは、異端者の決死の行動に衝撃を受ける。命からがら逃げ延びたオクジーとグラスは異端者の言葉に従い、山奥で古びた石箱を発見。この中身の価値を知り得る人物に心当たりがある、とグラスは言う。
オクジーは元の生活に戻ることを望んでいたが、ある事態が彼に否応なく決断を迫ることになる。
第6話「世界を、動かせ」のストーリー
異端者とグラスの両者から「想い」を託されたオクジーが訪ねたのは、村外れの教会に住む修道士のバデーニ。彼は優秀ではあるが独善的で、とある思想上の禁忌に触れたことで街の修道院を追放された身だった。下級市民であるオクジーの言葉を信じようとしないバデーニだったが、この辺境で一生くすぶっているよりはと山奥へ向かう。石箱の中身に触れたバデーニは、あまりの衝撃に予想外の行動を見せる。
第7話「真理のためなら」のストーリー
石箱の中身は禁忌とされる「地動説」に関する資料だった。バデーニはこれを証明すべく、より多くの観測記録を持つ者との接触を図るため街へと向かう。一方、街の天文研究所で働くヨレンタは、優秀だが女性であるという理由だけで研究員として扱われず、雑用係に甘んじていた。そんな折、街の掲示板にとある問いが出題されているのを見る。それは天文に関する問題で。
第8話「イカロスにならねば」のストーリー
天文に関する難問を解いたヨレンタに接触するバデーニとオクジー。「自分が書いたものではない」と否定するヨレンタだったが、バデーニは彼女の聡明さを見抜いていた。「地動説」の共同研究を持ち掛けるバデーニに対し、揺れ動くヨレンタ。彼女の迷いの理由はそれが思想上の禁忌であることだけでなく、天文研究所の所長であり天文学の権威・ピャスト伯の存在が影響しているようなのだが――
第9話「きっとそれが、何かを知るということだ」のストーリー
天文研究所の所長・ピャスト伯は、先代の教授から受け継いだ「完璧な天動説の証明」に残り少ない命を捧げていた。天体の観測記録を提供して欲しいというバデーニらの申し出を一度は断るピャスト伯だが、ある条件を理由に承諾する。その条件とは、彼がかつて観測したという見えるはずのない天体――「満ちた金星」を観測することであった。大任を担うことになったオクジーはその重責に耐えられるのか。
第10話「『知』」のストーリー
ピャスト伯の死から数ヶ月――バデーニは膨大な観測記録を基に「地動説」の完成に没頭し、オクジーはヨレンタから文字を教わり自身の心境を綴るようになる。が、バデーニはオクジーのその行動に一切の価値を認めず、進まない研究に苛立ちを隠せずにいた。
一方、同地区の教会では司教が異端審問官を増員し、いよいよ異端への弾圧を強めようとしていた。
『チ。』は実話?登場人物は実在する?
『チ。』は15世紀のヨーロッパ某国を舞台にしたフィクションで、実話ではありません。アニメ第1話にて「15世紀(前期)P王国某所」とのテロップがありますが、ネットなどでは「P王国」はポーランドがモチーフではないかと言われています。
原作者の魚豊氏はインタビューで、知性と暴力に興味があってそれに関連する作品作りのモチーフを探した結果、「地動説」にたどり着いたと明かしました。「地動説」は教科書で習うテーマでありながら、意外な歴史があり、フィクションのエンターテインメントになるだろうなと感じて、『チ。』の物語を描いたとのことです。
魚豊氏は第1章の主人公・ラファウにモデルがいるかと聞かれた際、特定のモデルはいないが、魚豊氏が考える器用な人というのがラファウのような人だと答えています。異端審問官のノヴァクについては、アウシュヴィッツ強制収容所に無数のユダヤ人を送ったナチスのアドルフ・アイヒマンを人物造形のヒントにしたと話しています。
アニメ『チ。』あらすじのまとめ
『チ。』は15世紀のヨーロッパ某国を舞台にした物語です。「天動説」が信じられていて、「地動説」を研究する者は異端として投獄されたり火炙りにされていた時代に、命をかけて「地動説」を証明しようとする者たちを描いた作品です。
(C)魚豊/小学館/チ。 ー地球の運動についてー製作委員会
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