将棋の第2回達人戦立川立飛杯準々決勝が12月3日、東京都立川市の「立川ステージガーデン」で行われ、佐藤康光九段(55)が木村一基九段(51)に142手で勝利した。この結果、佐藤九段は準決勝に進出。次戦では決勝進出をかけて行方尚史九段(50)と戦う。
永世棋聖資格保持者の佐藤九段が、強く若々しい指し回しで堂々の4強入りを決めた。本局では、後手の佐藤九段が得意のダイレクト向かい飛車を採用。序盤は木村九段の作戦勝ちと見られていたが、百戦錬磨の佐藤九段が瞬く間に主導権を握ってみせた。
“千駄ヶ谷の受け師”の異名を持つ木村九段だが、立川の地では攻めをさく裂。簡単には譲れぬと佐藤九段へ果敢な姿勢を示した。しかし、佐藤九段は我が道をまい進。強気の応酬が繰り広げられる中、後手は豊富な持ち駒で先手陣を削ってリードを拡大させていった。
互いに秒読みとなった終盤戦でも、逃げ切りは許されない。佐藤九段は自陣を再建して猛攻に対応。持ち前の強い手を重ねて、勝利をもぎ取ってみせた。
勝利した佐藤九段は、「良かった局面があったり悪かった局面もあったが、振り飛車らしく粘り強く指そうと思ったのが良かったのかなと思う。(地ビールの)立飛ビールを飲んで(準決勝のことを)考えたいと思う」とコメント。一方、木村九段は「序盤は上手くいったと思ったが、急所のところでわからなくなってしまった。一言でいうと、こんなんじゃだめだという一局になってしまった」と悔しそうな表情を見せていた。
ベスト4は佐藤九段と激突する行方九段、前回優勝の丸山忠久九段(54)、森内俊之九段(54)に決定。あす4日に準決勝2局と決勝戦が行われ、二代目達人が決定する。
達人戦は、2024年4月1日付で満50歳以上の現役棋士に参加資格が与えられている。第2回大会は53人とシード棋士4人の合計57人が出場。「達人」の称号を目指し、熱い戦いが繰り広げられている。本戦の持ち時間は各30分、切れたら一手30秒未満。先手・後手は振り駒で決定する。
(ABEMA/将棋チャンネルより)