■高齢で子どもを持つリスク、「授業参観に来ないで」と言われたら…
成長するにつれて、周囲の若い親と比較される可能性がある。将来、娘から「授業参観にパパは来ないで」と言われたらどうするか。マモルさんは「今は『笑未ちゃんのお父さん来たよ』と言ってくれるが、大きくなればわからない」との認識を示し、「子どもが希望するなら行かない」と断言する。
晩婚の心構えについて、ファイナンシャルプランナーの井戸美枝氏は「遅く子どもを授かると、それだけお金を貯める期間は短くなる」と指摘。「必要な費用の優先順位を決めることが重要。教育費は、高校ぐらいから急増する。デフレの30年間でも、教育費だけは上がってきた。教育費を最優先に、コツコツ積み立てること。政府も子ども支援に力を入れていて、児童手当も所得制限なしで高校卒業まで得られる。支援をフル活用して、確実に貯めるのが一番だ」との見方を示す。
また、高齢で子どもを持つリスクとして、夫が高齢の場合には、病気などで働けなくなると、経済的に困窮する可能性。妻が高齢の場合には、妊娠・出産において流産や早産、胎児の染色体異常の確率が上がるおそれがある。
そして、子どもが小さい頃から親の介護をするヤングケアラーになる可能性だ。これにマモルさんは「大事なポイントだが、そういう話をし出すと限度がない。例えば、子ども2人ならこれだけお金が必要となると、富裕層しか子どもをつくったらダメだという世界になってくる。いちいち討論していても前に行かない」との考えを述べた。
ヤングケアラーに関連して、井戸氏は「全員が介護を要するわけではないが、介護知識は必要だ」と説く。「介護保険制度が2000年にでき、改正で使いやすくなっている。ひとりでなんでも抱え込まず、行政やケアマネージャーに相談して、地域や社会で子育てする考えが重要になってくる」。
今後の資金について、マモルさんは「生命保険をベースに、子どもの学資保険にも入っている。長女はNISAもやっている」と説明。マモルさんが先立つ不安を問われた鮎美さんは、「深くは考えず、できることを意識している。今を楽しみつつ、お金を貯めている」と話した。
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