赤ちゃんを危険にさらす行為に対しては“野良妊婦”と呼ばれ、批判的な声もある。ただ、経済的理由や虐待などから受診しない、もしくは受診できない人がいるのも現実だ。『ABEMA Prime』に出演したのぞみさんは、出産した男児を特別養子縁組に託したといい、その後は数カ月に1回、成長の過程を見せてもらっているという。「愛情が全く芽生えなかったわけじゃない。こんな感じで今成長しているんだという感じの気持ちはある」とした上で、「今のご時世、シングルマザーの方も多いけど、1人で育てるよりは夫婦揃って、お父さんもいる状態で育ててもらう方がいい。私の生活が安定しているわけじゃなかったので、傷つけてしまったりとか、我慢させちゃったりとか、そういうのが嫌だった。家庭を知ってもらうという意味でも、特別養子縁組を私は選んだ」と語った。
山王ウィメンズ&キッズクリニック大森の高橋怜奈院長は、のぞみさんのような未受診妊婦がいる理由について「経済面が多いこともあるが、妊娠していることに気づいていない方も結構多い。30何週を超えると動いたりするので、なんとなく気づいたり『いるんだな』とわかるが、やはり中絶できる週を過ぎてから気づく。そうした後に どうしようと悩んで、結局どこにも相談できない方が多い」と、妊娠の事実を把握することの遅れがあると指摘した。また「出血があったらイコール生理だと思っている。医学的には出血があってもイコール生理ではなくて、着床出血といって妊娠したばかりの時も出血がある。生理不順の人は、生理は来ないけどこのくらいはあると思って、気づいたらもう20何週になっていた方も実際はすごく多い」と、妊娠への理解を深める必要性を説いていた。
(『ABEMA Prime』より)


