【松井大輔 引退試合-Le dernier dribble-~STARSEEDS SPECIAL MATCH~】MATSUI FRIENDS 6-12 JAPAN DREAMS(12月15日/ニッパツ三ツ沢球技場)
14年越しの“禊”が終了したということだろうか。松井大輔が駒野友一にPKを託し、見事ゴールネットを揺らした。2010年のワールドカップ・南アフリカ大会でベスト8進出を逃したPK失敗の光景が再現されると、ゴールが決まった瞬間、目撃した多くの人が「歴史が変わった」と感動を覚えているようだった。
2023シーズン限りで引退した松井の引退試合は、まさに壮絶なフィナーレを迎えた。きっかけは“霊長類最強女子”吉田沙保里の“強烈タックル”だ。前日に中村憲剛の引退試合でレスリングタックルを繰り出して話題を集めていた吉田は、80分にピッチに入ると、その10分後にボックス内で香川真司にタックル。問答無用のレッドカードが提示されて笑いが起こる中、ここで松井が“粋な演出”を見せたのだ。
当然、自らの引退試合の最後のPKシーンでゴールを決めて花道を飾ると思われたが、なんとキッカーを駒野に託したのだ。すると、場内のビジョンには2010年の“あのシーン”が映し出される。
2010年6月29日、日本代表は南アフリカ・ワールドカップの決勝トーナメント1回戦でパラグアイ代表と対戦。初のベスト8進出を目指した試合は0-0のまま延長で決着がつかず、PK戦に突入した。全員が決めて迎えた3人目に登場した駒野は、左上のクロスバーに当てて外してしまう。その後、パラグアイが全員成功したことで日本は敗戦。PK失敗の責任を感じた駒野は立ち上がることができず、同い年の松井と阿部勇樹に支えながら涙ながらにピッチを後にしたというエピソードがあった。
あれから14年──。松井の引退試合でそのシーンが再現されたのだ。
両チームのメンバーが肩を組んで見守る中、苦笑いしながらキッカーを務めた駒野は、あの時と同じように左上隅を狙ってシュートを放ち、今度はゴールネットを揺らす。次の瞬間、歓喜の輪の中で全員が駒野を祝福した。
PKが駒野に託された場面では、ABEMAで見守ったファンも「駒ちゃん大丈夫?笑」「駒野に蹴らすかw」「駒野いじり」「駒野チャレンジw」「トラウマ掘り起こすなよw」と次々にコメント。そして、ゴールが決まると「やっと許されたか」「イイ話ダナーーー」「駒野ゆるされた」「歴史が変わった」「駒野は幸せ者やな」「ちょっと泣けてきたわ」「書き換えた」「禊は終了しました」と、感動のフィナーレを味わっているようだった。
なお松井は試合後、「駒ちゃんとは小学校6年生の頃から一緒にサッカーをしてきた。彼は引退試合をまだやっていないでしょうし、先に早めにPKを払拭できれば良いかなと思って、企画しました」とコメント。さらに「本当はね、外しても良かったんですけど。彼は上手くなりましたね(笑)。僕らはW杯はベスト16までしか行けなかった。あれは本当に駒野のせいです(笑)」と盟友をいじった。
サッカー元日本代表はもちろんのこと、吉田や土井レミイ杏利、内川聖一など競技を超えたメンバー、お笑いタレントやアーティストなど、そして松井が憧れ続けたキングカズこと三浦知良など超豪華メンバーによるゲームは、MATSUI FRIENDS 6-12 JAPAN DREAMSという超乱打戦で決着。松井自身は両チームでプレーして合計7得点を挙げ、持ち前の華麗なテクニックを披露するなど、多くのファン・サポーターを魅了した。
(ABEMA/松井大輔 引退試合 -Le dernier dribble-~STARSEEDS SPECIAL MATCH~)