アムロの胆力も凄いが、ランバ・ラル(CV:広瀬正志)はその上を行っていた。砂漠にある中立地帯ソドンの街で、ホワイトベースから脱走していたアムロ・レイ(CV:古谷徹)が食事をしていると、偶然にもジオン公国軍のランバ・ラル隊と遭遇した。ランバ・ラルは若いアムロを気に入ったようだったが、アムロを探しにきたフラウ・ボゥ(CV:鵜飼るみ子)が見張りに見つかってしまう。アムロはもちろん視聴者にも緊張が走る場面となった。
【映像】ランバ・ラルとアムロの緊張の一瞬(7分42秒ごろ~)
第17話でランバ・ラル隊がホワイトベースにゲリラ戦を仕掛けた際、アムロはブライト・ノアにガンダムで出撃するよう命じられたのに背いてガンタンクで出撃した。その結果、ホワイトベースを危機にさらすことになってしまった。戦闘後、ブライトとミライ・ヤシマが“アムロをガンダムから降ろす”という話をしているのを聞いてしまい、アムロはショックからホワイトベースを脱走していた。
その後、アムロがソドンのレストランで食事をしていると、偶然にもランバ・ラル隊がやってきた。ランバの内縁の妻クラウレ・ハモンは、アムロのことが気に入ったと食事を奢ろうとする。しかし、アムロは“奢ってもらう理由がない”“乞食じゃない”と反発し、申し出をはっきり断った。その態度に感心したランバは「気に入ったぞ、小僧!それだけハッキリ物を言うとはな」と言いながらアムロの肩を抱き、自分からも奢ると言い出す。まさかの展開にさすがのアムロも困り顔になってしまった。
そこにタイミング悪く、地球連邦軍の隊服姿でアムロを探していたフラウ・ボゥがランバ・ラル隊の見張りに捕まってしまう。ランバの元に連行されたフラウを見てアムロが反応してしまったことで、仲間であることが露見してしまった。
しかしランバは「放してやれ」とフラウ・ボゥを解放すると、険しい顔で睨みつけるアムロのもとへ歩み寄った。このときアムロは隠した手元で銃を構えていたが、ランバはそれを見透かしていたかのように冷静に確認すると、「いい度胸だ。ますます気に入ったよ」と、なぜか嬉しそうに言葉をかけた。
ランバは「戦場で会ったらこうはいかんぞ!頑張れよ!アムロくん」と言い残し、アムロとフラウ・ボゥを見逃した。しかし、ホッとしたのも束の間、ランバは即座に部下ゼイガンに2人の尾行命令を出したのだった。あくまでも上を行くランバに、見ていてゾッとした視聴者も多かったことだろう。
アニメ「機動戦士ガンダム」は1979年4月から1980年1月まで放送されたサンライズ制作のロボットアニメで、富野由悠季監督が手掛けた作品。“リアルロボットアニメ”という新ジャンルを開拓し、以後のアニメに多大な影響を与えた。放送当時の視聴率は振るわなかったものの、再放送や劇場版の公開で人気が急上昇すると、「ガンプラ」ブームも生まれるなど空前のヒットに。現在に至るまで数多くのシリーズやスピンオフなどの派生作品が制作され、高い人気を誇る。
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