ガンダムマニアなら必ず推すであろう名シーンの1つに数えられるのが、いよいよホワイトベースが宇宙へと発進する場面だろう。「劇場版 機動戦士ガンダムII 哀・戦士編」のラストシーンにもなったフラミンゴのシーンを振り返ってみよう。
【映像】ホワイトベースの横を舞う大量のフラミンゴ(5分35秒ごろ〜)
ホワイトベースは地球連邦軍本部の正規軍として正式に編成され、囮専門部隊「第13独立部隊」に所属することが決定した。そしてルナツーを目指すティアンム艦隊の囮としてジャブローを出航し、ジオン軍の目を引きつけつつ宇宙要塞ソロモンへの侵攻を目指すという指令を受ける。
正規軍編入に伴い中尉へと昇進したブライト・ノア(CV:鈴置洋孝)は、ホワイトベースに戻り乗組員に出発時間を伝達すると準備を急がせた。また、ランバ・ラル隊との戦闘で戦死したリュウ・ホセイの代わりに、補充兵としてスレッガー・ロウ(CV:玄田哲章)中尉が新たに着任した。
いよいよホワイトベースがジャブローから宇宙へ向けて発進すると、動き出したホワイトベースの周辺でまるで見送りをするかのようにフラミンゴの大群が羽ばたいていた。この光景を目にしたクルーたちは、それまでの緊張感でこわばった表情をやわらげ、みるみる笑顔に変わっていった。まさかのブライトまで「手の空いている者は左舷を見ろ、フラミンゴの群れだ」と笑顔で艦内放送を行い、ビデオ撮影まで許可するほどだった。
フラミンゴといえば1本足で立っている姿を思い浮かべる人が多いかもしれない。 “ガンダムで初めてフラミンゴが空を飛ぶ姿を見た”という人もいるのではないだろうか。
なおホワイトベースの周囲を飛ぶフラミンゴの群れは、機動戦士ガンダム劇場版3部作である「機動戦士ガンダムII 哀・戦士編」のラストシーンにも採用された。戦争で傷つき多くの仲間を失いながらも前に進んでいく戦士たちの心を癒すこの場面は、今なお多くの視聴者の心に残る名シーンのひとつだ。
アニメ「機動戦士ガンダム」は1979年4月から1980年1月まで放送されたサンライズ制作のロボットアニメで、富野由悠季監督が手掛けた作品。“リアルロボットアニメ”という新ジャンルを開拓し、以後のアニメに多大な影響を与えた。放送当時の視聴率は振るわなかったものの、再放送や劇場版の公開で人気が急上昇すると、「ガンプラ」ブームも生まれるなど空前のヒットに。現在に至るまで数多くのシリーズやスピンオフなどの派生作品が制作され、高い人気を誇る。
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