■美容業界だけでなく保険診療業界にも課題

直美が増える理由
拡大する

 これだけ悪徳なクリニック、未熟な美容外科医がいたとしても、それでもニーズが減らないこと事態にも問題はある。「いろんな要因がある。まずSNSだ。インスタとかTikTokでみんな自撮りする。自分の顔と他人の顔を比較する機会があって、劣等感を感じる機会が増えた。だからルッキズムが助長されて整形する人が増えた。だんだん整形する人が増えてくると、以前のような『整形するというのは親の体にメスを入れるなんてとんでもない』という考え方がだんだんなくなってきて、ハードルが下がってきた」。

 また、世の中の医師たちも、かつてはハードな外科医や、夜中まで働く救急に憧れる人もいたが、今はコスパ・タイパ重視にもなった。「若い人たちがコスパ重視になった。楽して稼げる、そっちの方が勝ち組だと考える若いお医者さんが増えたから、余計に美容に進む」とも述べた。

 稼ぎやすい美容業界にも問題はあるが、保険診療の業界にも課題はある。仮にどれだけ医師のレベルに差があったとしても、同じ手術をした場合、収入は変わらない。また無駄な医療も多い。「まず無駄な医療というのがものすごくたくさんあると思う。例えば寝たきり高齢者をずっと入院させて、そこでベッド代を稼ぐとか、不必要な薬を出すとか、後は生活保護の人をターゲットにしてお金を稼ぐとか。実際には保健診療でやっている医療はかなり無駄が多いと思う。後、問題点としては、美容医療は自費診療なので、手術がうまくて人気がある先生は需要と供給のバランスで高い治療費を得ることができる。保険診療はどんな名医の外科医でも下手な新人の外科医でも、一つの手術をしたら同じ料金だ。あとは、うまい医者、優秀な医者ほど稼げないというシステムもある。やっぱり一発で手術で治して退院させると、それだけしか収入がない。何回も手術を失敗して、その都度入院させて再手術をすると、その都度報酬が入ってくる。そうなると、やっぱり今の若いお医者さんも賢いので、だったら合理的に稼げて夢のある美容の自費診療の方に進もうという人も多い。保険診療の方にもかなり大きい問題があると思う」。
(『ABEMA Prime』より)
 

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「献体写真」SNS投稿で物議...問われる医師の倫理観&“直美”を高須幹弥と考える
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