栃木県・足利市の大岩山毘沙門天では、12月31日に「悪口祭り」が開催された。かつては全国でも何カ所かで開催されていたという珍しい祭りだが、現在は2カ所だけ。参加した人々は、この一年で積もり積もった鬱憤を晴らすべく、大晦日の夜に開催された「悪口コンクール」で、思い切り悪口を言い放っていた。
悪口祭りは「ばかやろう!」「ふざけんなっ!」など悪口を言いながら山頂を目指して歩き、一年の厄を落とすというもの。行列の参加者は、悪口を言いながら歩き続けるという決まりがある。江戸時代から続くもので、基本的には何を言っても大丈夫だが、人を傷つけること、人を差別するような言葉は、使ってはいけないルールがある。山頂にある本堂では、今年一番落としたい厄を焼く、2つの「やく」をかけて、お焚き上げが行われ、札に落としたい厄を書いて、火の中に投げ込む。