今回プジョルジョDは、チャム族のコーンさん一家を密着取材。コーンさんの子どもは12人おり、孫まで含めると総勢60人にもなる大家族だ。彼らは5軒の家に分かれて暮らし、それらはすべてドラム缶を敷き詰めることで湖に浮かんでいる。番組で紹介されたのは、父親家族と長女家族が暮らす自宅。コーンさんと息子の寝室の奥に、台所と長男家族の寝室がある間取りだ。収納スペースが少ないためか、壁には服やバッグなど、さまざまな物がかけられていた。
その後は、電気・ガス・水道がない水上の家で、一家がどのように生活しているのかが紹介された。「湖の水で食器を洗います。残飯も流して魚のエサになる」と教えてくれたコーンさん。しかしここでは、湖の水が下水であり上水。トイレは無く、排泄物も垂れ流しだ。さらに、メコン川上流からの水質汚染も問題となっており、チャム族の子どもがコレラなどの感染症にかかり、命を落とすこともあるという。電気はソーラーパネルを使用しており、「晴れなら1日、電気を使える」とのこと。しかし雨季は、電気を使うことができない。
トンレサップ湖における生活の苦労は、これだけではない。なんと1年に10回、家を移動しなければならないのだという。トンレサップ湖は雨季と乾季で水量が大幅に変わり、乾季は湖の面積が3分の1に。そのため、家を湖の中央に移動しなければならないのだ。
苦労の多い水上での暮らしを、なぜ続けているのか。その問いに、コーンさんは「私たちは国籍がない。堂々と地上では暮らせないんだ」と答えを返した。「カンボジアの国籍を取得するのは難しいんですか?」との質問には「自分を証明する書類がない」と返答。どこの国へ行っても、チャム族が暮らせる地上はない。自身の民族が置かれた状況を、コーンさんはそう語っていた。
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