昨今、「選択的夫婦別姓」の導入問題における議論が活発になっている。法務省によれば、正確には「選択的夫婦別姓(べつうじ)制度」。夫婦が望めば結婚後も夫婦がそれぞれ結婚前の「名字(氏)」を称することを認める制度だ。
与党自民党にも前向き派、慎重派が存在しており一枚岩ではない。2月4日に高市早苗前経済安保担当大臣が顧問を務める「保守団結の会」が会合を実施。その翌日には、安倍晋三元総理が会長を務めていた自民議員連盟「創生日本」も、石破政権になって初の勉強会を開催。旧姓の通称使用の拡大、つまり結婚前の名前を仕事や生活のなかで使える枠を増やす代わりに、夫婦別姓制度そのものは認めない、という考えだ。
高市氏は「私にとっては安倍晋三元総理からの遺言ともいえるテーマがある。日本の戸籍制度は世界に誇れる見事なシステム。例えば20年以上婚姻関係を継続しているご夫婦の間で、居住用不動産を贈与した場合の配偶者控除の制度でも、この戸籍によってちゃんと20年以上婚姻関係があるということがわかる。そうすると『他国には例を見ない戸籍制度だから廃止するべきだ』ではなく、『他国に誇れる優れた制度だからこそ守り抜くべきだ』と考えている」とコメント。
小林鷹之元経済安保担当大臣も「確かに大人はそれでいいかもしれないが、その後結婚して子が生まれてくることは当然ある。そうすると別々の姓になる。片方の親と子どもで姓が異なる。世論調査を見ても、例えば兄弟姉妹の中で姓がバラバラになってしまうことに対して、懸念を持っている人は相当程度まだいる。子どもの立場に立った上で、選択的夫婦別姓制度を進めることが本当に良いのかどうか。そこはまだ議論すべきなのではないか」と、慎重な議論を求めている。
保守を自認する宮沢博行元衆議院議員は「私は選択的夫婦別姓導入には反対」と切り出すと「保守派の人は(夫婦別姓が)感情的に嫌。選択的だから『自分さえ同性ならいいじゃないか』という方々もいるが、選択的であっても夫婦別姓が導入されること自体が嫌だ、という方が非常に多い。特に保守派の方には非常に多い。戸籍は絶対的に同性でなければならない、ということ」と、実情を述べた。
また、宮沢氏は「日本の文化として『同性』、これを後世に伝えていかなければいけないという使命感。原則として同性であること、これが日本の文化である。最近、政治家が文化論を言わない。制度論で物を語るからわかりにくくなっていく。思想は文化でもあるから、それを堂々と言ったほうがいい」と、保守としての考えを語った。
(『ABEMA的ニュースショー』より)
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