【AFC U20アジアカップ】U-20日本代表 2-2 U-20シリア代表(日本時間2月14日/龍華カルチャー・アンド・スポーツセンター・スタジアム)
「なんとしてでもボールを奪う」。そんな執念が伝わってくるようなディフェンスだった。U-20日本代表のFW道脇豊(ベフェレン)と競り合ったシリアのDFマムドゥ・ワルダはうつ伏せに倒れた状態から身体を伸ばし、頭を差し出してボールを触りにいく執念を見せてファウルを獲得。このプレーには解説を務めた元日本代表MFの柏木陽介氏も驚愕していた。
中国で開催中のAFC U20アジアカップでU-20日本代表は2月17日、グループステージ第2節でU-20シリア代表と対戦。2-2で引き分けた。日本を苦しめたひとつが、シリア選手の気合い十分の身体を張ったプレーだった。
例えば58分のワンシーンだ。敵陣の左サイドでボールを持ったDF喜多壱也が縦パスを送ると、FW道脇がこれに反応して背後に抜け出した。ボックス内では、先にシリアのDFワルダが触ったものの、道脇はすぐさま身体を入れてボールを奪い返す。しかし、そこで両者が交錯して倒れ込むと、ボールは2人のどちらが先に触るかの勝負となった。
体勢的には、道脇がワルダの身体に乗っかるような状態になっていたところで、日本の背番号14は足を伸ばしてボールに触りにいく。するとシリアDFは思わぬ行動に出たのだ。なんと、先にボールに触わろうと、うつ伏せで倒れたまま身を乗り出し、足も恐れずに頭からボールに突っ込んでいったのだ。
その直後に審判の笛が鳴ると、判定は道脇のファウルに。これには道脇も両腕を伸ばして「なんで?」といった表情を見せ、実況・福田浩大氏も「道脇のファウルになりました。いったん身体を入れられた後に入れ替えしてはいました」とこのシーンの状況を説明した。
その後、リプレイ映像が流れると、改めてワルダの決死のプレーが強調される。国民的なサッカーアニメ『キャプテン翼』に登場する“顔面ブロック”でお馴染みの石崎了を彷彿させるガッツ溢れるプレーには、解説を務めた柏木氏も驚愕の様子。「すごいですね。ボールを奪うっていうシリアの気持ち」と、自らの頭を差し出してまでボールに食らいつく執念のプレーを称賛しているようだった。
2試合を終えた段階でグループDの順位は、1位が韓国(勝点6)、2位が日本(勝点4/得失点差3)、3位がシリア(勝点1/得失点差-1)、4位がタイ(勝点0)。2月20日の第3節では、日本が韓国、シリアがタイと対戦し、日本が敗れ、シリアが勝てば勝点で並ぶことになる。得失点差的に圧倒的有利とはいえ、シリアの気持ちの強さを考えれば油断はできない状況だ。日本はきっちり勝点を積み上げたい。
(ABEMA de DAZN/AFC U20アジアカップ)
【AFC U20アジアカップ】
2025年2月12日から3月1日まで中国で開催。グループステージは16チームがグループAからグループDに分かれて戦い、各組の上位2チームが決勝トーナメントに進出する。準決勝に進出した上位4か国が、2025 FIFA U-20ワールドカップ(チリ開催)の出場権を獲得する。日本は前回の2023年大会で準決勝敗退、今大会は2016年大会以来となる優勝を狙う。


