【2025 SheBelieves Cup】日本女子代表 4-0 オーストラリア女子代表(日本時間2月21日/シェル・エナジー・スタジアム)
圧巻のワンシーンだ。なでしこジャパン(サッカー女子日本代表)が見せた華麗なパスワークからのスーパーゴールで肝となったのが、MF長谷川唯の“ベルベットパス”(織物のように柔らかいパス)だった。
なでしこジャパンはアメリカ開催の4か国対抗戦「2025 SheBelieves Cup」(シービリーブスカップ)の第1戦で、オーストラリア女子代表を4-0で撃破。話題沸騰となっているのが、52分のスーパーゴラッソだ。
なでしこジャパンはスローインから丁寧にボールを繋いでオーストラリアを攻略し、左サイドから中央でMF藤野あおば、FW田中美南、長谷川、再び田中と細かく繋ぎ、最後はMF浜野まいかがゴール前で流し込んだ。最初から数えると、実に9人が絡んで13本のパスを一度も相手に触らせずに流し込んだゴラッソは、日本のファンの間で「シャビやイニエスタがいた頃のバルサ」「完璧な形」「すごい連携」など大熱狂となり、さらに海外メディアからも「恐怖のショー」「外科医の手術のように精密なパスワーク」「止めることは不可能」などの声が出るなど大絶賛の嵐となっている。
このシーンでとくに規格外だったのが、プレアシストを記録した長谷川だ。ペナルティーエリア手前の中央にいた背番号14は、藤野がワンツーで抜け出したタイミングでやや左寄りに移動。そして縦パスを引き出すと、正面を向きながらダイレクトで右前方に柔らかいパスを出す。インサイドにしっかり当て、縦回転のかかった最高の精度とスピードのボールは、オーストラリアDF2人の間を見事に抜け、走り込んだ田中に完璧に繋がったのだ。
ABEMAで解説を務めた岩渕真奈氏も「長谷川選手が前にボールを入れているのがポイントですね」と絶賛したベルベットパスは、サッカーファンの間でも話題に。ABEMAのコメント欄やSNSでは、「長谷川うっま」「長谷川うますぎ」「ワンタッチうっま」「唯ちゃんのワンタッチパスが素晴らしかった」「長谷川のパスがセンスの塊」「バロンドール候補は伊達じゃないな」などの声が出ていた。
繋ぎからゴールに至る一連の動きで、この長谷川のワンタッチパスは間違いなく難易度が最も高い。ファンが比較対象にしていたペップ・グアルディオラ時代のバルセロナも、華麗なパスワークで相手を揺さぶりながらシャビやアンドレス・イニエスタ、リオネル・メッシらのテクニックや創造性が敵守備陣を崩すうえで“圧倒的な違い”になっていた。今回のスーパーゴールで言えば、長谷川がいわばなでしこジャパンのシャビ、イニエスタ、メッシとして極上のスパイスになっていたのだ。
ニルス・ニールセン新監督の下ではキャプテンマークも巻いている長谷川。「2025 SheBelieves Cup」は残り2試合で、日本時間2月24日にコロンビア女子代表、同2月27日にアメリカ女子代表と対戦する。背番号14のプレーは引き続き要注目だ。
(ABEMA/2025 SheBelieves Cup)

