【長渕剛本人コメント】
長濱先生の写真家としての人生が80年以上を超えて、若い頃から先生を慕って、先生のカメラの前に立ってきた。「剛さん、あなたの写真を残しておきたいんだ」と電話で告げられたとき、率直に嬉しかった。答えは決まっている。先生、お願いしますと。
僕の人生は闘いそのものだと思う。「正しい」や「間違い」では割り切れない、矛盾の海を泳ぎ切ること。そこに本気で命を懸けられる人生なのかどうか。実に孤独な闘いではあるけど、共鳴、共振、共闘できる仲間。それが長濱先生。人生を共有した証をこうして残すことができ、表現者として非常に光栄に思う。
被写体である長渕剛と、撮ってくれる長濱先生との間に共通言語があるとするならば、それはきっと「死が隣接している」ということ。カメラの前に立つとき、僕は120%で命を燃やす。長濱先生も命を懸けて向かってくる。魂が抜き取られるのに等しい行為であり、だから僕にとって写真は遺言のような質感を持つ。今作のタイトルを『骨 BONE』としたのは、そんな意識が常にあるからなのかもしれない。
【プロフィール】
長渕剛(ながぶち・つよし)。1956年9月7日生まれ、鹿児島県出身。1978年に『純恋歌』で本格デビュー。以後、『勇次』(1985年)、『乾杯』(1988年)などヒットを連発。1990年代に入り、『JAPAN』(1991年)、『Captain of the Ship』(1993年)など数々の革新的なアルバムをリリース。2003年リリースの『しあわせになろうよ』でシングルの総売り上げ1000万枚を突破。2011年の東日本大震災に際してはいち早く復興支援に尽力。2015年に富士山麓で開催されたオールナイトライブは今なお伝説として語り継がれる。昨年、7年ぶりのフルアルバム『BLOOD』をリリース。写真集『骨 BONE』の発売予定日となる4月17日(木)から全国13箇所全16公演のホールツアー「HOPE」がスタートする。
長濱治(ながはま・おさむ)。1941年4月24日生まれ、愛知県出身。写真家・立木義浩の下でアシスタントを務め、1966年に独立。1960年代のアメリカで悪名を轟かせたモーターギャング・ヘルズエンジェルに迫った写真集『地獄の天使』(1981年)で名を上げる。ブルースやジャズにも造詣が深く、国内外、様々なミュージシャンを現役で撮影し続けている。著書に『MY BLUES ROAD』(1992年)、『猛者の雁首』(2005年)、『THE TOKYO HUNDREDS 原宿の肖像』(2014年)などがある。
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