自民党大会に連合会長が20年ぶり出席 選択的夫婦別姓の実現要求
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 年に一度行われる自民党の党大会で、石破茂総理大臣が党の団結を訴えました。しかし、総裁選を争ったライバルからは苦言が飛び出ました。

【画像】自民党大会に出席した芳野連合会長 会場の反応に口元緩める

■自民党大会に連合会長が20年ぶり出席

石破総理
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石破総理
「もう一度、野党の時の気持ちを取り戻し、勇気と真心をもって真実を語り、あらゆる組織と対話をする」

 9日、自民党の党大会で党内の引き締めを図った石破総理。その言葉通り、党大会には連立を組む公明党や経団連が出席したほか、珍しいゲストの姿もありました。

日本労働組合総連合会 芳野友子会長
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日本労働組合総連合会 芳野友子会長
「『連合』会長が党大会に参加することで、内外からさまざまな意見が出ていることは承知の上で本日は参加をさせて頂きました」

 会場の反応に口元をゆるめた、「連合」の芳野会長です。連合は、700万人の労働者が加盟する、日本最大の労働組合組織。選挙では立憲民主党と国民民主党を支援していて、会長の出席は20年ぶりのことです。

芳野会長
「これからも正々堂々と政策議論を交わし、すがすがしい戦いができるよう、エールを交換したい」

連合の要請
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 自民党に物価上昇に見合う賃上げとジェンダー平等、特に「選択的夫婦別姓」の実現を求めました。

 対する、石破総理は選択的夫婦別姓については踏み込みませんでした。

石破総理
「物価上昇を上回る“賃上げ”と労働者の働き方改革を実現する」

■石破政権に自民党内からは不満

 番組は、9日の石破総理の演説を独自に分析しました。

石破総理の演説を独自分析
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 24分に及んだ演説のうち、1分40秒あまりが連合の芳野会長に向けた言葉でした。

石破総理
「芳野会長におでかけ頂いた。ありがたいことであります」

 他の出席者へのあいさつを大きく上回る、手厚い対応です。

 一方、最も短かったのは見直しを凍結した「高額療養費制度」についてで、野党に方針転換を迫られた経緯からか、20秒ほどにとどまりました。

 「高額療養費制度」をはじめ、野党への譲歩が続く石破政権に、党内からは不満がにじみ出ています。

自民党 小泉進次郎衆議院議員
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自民党 小泉進次郎衆議院議員
「のむことはのんでも、言うべきことは野党に言わなければいけない。その部分がやはり少し弱いと思います」

自民党 小林鷹之衆議院議員
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自民党 小林鷹之衆議院議員
「政策決定や意思決定が二転三転しているように感じる」

■立憲・国民 参院選の一人区調整“不透明”

立憲・国民は選択的夫婦別姓の政策で
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 党内から揺さぶられるなか、石破政権としては夏の参議院選挙にむけて連合を引き込みたいところ。一方、連合の本来のパートナーである立憲民主党と国民民主党は、自民党内がまとまらない選択的夫婦別姓の政策で、実現を訴え続けています。

立憲民主党 野田佳彦代表
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立憲民主党 野田佳彦代表
「この国会の後半には『選択的夫婦別姓』が大きなテーマになるだろう。ぜひ、これを実現したい」

国民民主党 玉木雄一郎代表
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国民民主党 玉木雄一郎代表
「公約でも掲げる『選択的夫婦別姓』は基本的に進める立場です」

 そんな立憲・国民両党にも課題が…。1人しか当選できない参院選の選挙区で、候補者の調整が難航していることです。すでに競合しているところもあり、先行きはまだ見通せません。

玉木代表
「(『連合』の)地方連合会とも話をしながら、(愛媛県などの)『一人区』で擁立できる選挙区を考えたい」

 党大会で勢いこんだ直後、どこか浮かない表情にも見えた石破総理。少数与党として臨む参院選には、まだまだ苦難が待ち受けていそうです。

(「グッド!モーニング」2025年3月10日放送分より)

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