「資格手当」や「ランチ補助」 中小企業、あの手この手で賃上げ実現
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 春闘が本格化して高い賃上げを実現する企業も相次いでいますが、体力の少ない中小企業でも効率的に賃上げを実感してもらおうと様々な手法が登場しています。

【画像】社員うれしい「ランチ補助」 非課税なので所得税は増えず実質賃上げ

■200種類の「社内資格手当」とは

製造部(入社15年目) 加納春紀さん
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経理担当(入社2年目) 大木歩莉さん
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 千葉県にある「菊川工業」。従業員が必死に努力していることがあります。

製造部(入社15年目)
加納春紀さん

「20個ぐらい“資格”を取っていて、全体では数千円(の手当)になる」

経理担当(入社2年目)
大木歩莉さん

「14、15個ぐらいは取得していて、月数千円(の手当)だと思う」

「資格手当」を導入
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 賃上げしたいが、基本給は1度上げると下げるのが難しい。悩んだ末に社長が導入したのが、その名も「資格手当」です。

菊川工業 宇津野隆元社長
「うちの会社でしか使えないような知識であったり、うちの社員としては知っていて当たり前の知識。そういったところを社内で資格として認めてあげましょうと」

社内資格数228個
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 資格の数は、なんと200個以上。例えば、溶接ができるようになったら500円、設計ソフトの操作に関する資格は700円などなど。資格ごとに、数百円から数千円の手当が毎月支給されます。

設計部(入社30年目) 鷹羽吉雄さん
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設計部(入社30年目)
鷹羽吉雄さん

「経験していない項目もあって30年やっていても。まだまだ成長できる範囲が多いのかなと思っている」

大木さん「モチベーションにはつながる」
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大木さん
「これ(資格)取ったら毎月給料アップするので、モチベーションにはつながる」

 実は、資格を作っているのは社員です。

 経理を担当する大木さんは、去年3つの資格を作ったといいます。

大木さん
「『定時払い』という毎月何日に(取引額を)締めて、全部署一括で払うというのがあって」

合格すると300円の手当
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 各部署で行う支払いに関する手順をテスト形式にして出題。合格すると、300円の手当が支給されます。

大木さん
「こうやって(資格として)出すことによりやってくれる。お金(手当)ももらえて(手順も)覚えてくれる。一石二鳥みたいな感じ」

宇津野隆元社長
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宇津野社長
「能力のある社員ややる気のある社員は、その分だけ同じ職級でも給与の額が違うので、モチベーションになってくれているのかなと」

■「ランチ半額」で手取りアップ

 一方、大手牛丼チェーンでランチに来た2人が支払いで使っていたのは、何やら見慣れぬカード。

ダイナミックマッププラットフォーム 山田睦子さん
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ダイナミックマッププラットフォーム
山田睦子さん

「会社が半額費用を負担して食事を買えるカード」

ダイナミックマッププラットフォーム
三宅諒人さん

「近くのタイ料理屋とかパン屋とか、色んなところで使えるので重宝している」

チケットレストラン
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 これは「チケットレストラン」という福利厚生のサービス。1カ月の上限は1人あたり3500円です。飲食店以外にも、コンビニや自動販売機などでも利用できます。

「食事補助」という形にすれば“非課税”扱い
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 単純に賃上げをすると、増えた分だけ所得税もかかりますが、「食事補助」という形にすれば“非課税”扱いとなります。

ダイナミックマッププラットフォーム
樋口慶人事部長

「給与で3500円増やしたというのを社員に実感してもらうためには、4000円も5000円も会社が負担しないといけない。正社員が約70人いるので、(所得税で取られる)金額がその分節約できるということにはなる」

 この3年で利用は7倍以上に。サービスを提供する企業は、食事補助の非課税の上限額が今の3500円から増えることを望んでいます。

エデンレッドジャパン 天野総太郎社長
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チケットレストランを提供
エデンレッドジャパン 天野総太郎社長

「この40年間、(月)3500円という非課税が変わっていない。ぜひ6000円まで拡充し、社員をサポートする。働く人たちの食をサポートしたいという思いで活動している」

(「グッド!モーニング」2025年3月18日放送分より)

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