
先日、国が発表した65歳以上のひと月の支出額16万2000円。一方、厚生年金加入者の受給額は月14万6000円。年金だけじゃ生活できないのです。では、どうすればいいのか。実は、年金を増やせるかもしれないのです。
【画像】実は増やすことができるかもしれない年金…3つのポイントとは?
■“受給額”超える支出…ピンチ!

母・年金受給者(70代)
「さっきも話していた、年金の話を」
娘(50代)
「貯金とかしていないと心配」
年金受給者(60代)
「(年金だけでは)全然無理ですね。でも仕事が好きなので、死ぬまで働く」
先日公表された衝撃の事実。総務省の家計調査によると、65歳以上、無職の単身世帯の支出は月におよそ16万2000円。対して、厚生年金加入者の平均受給額はおよそ14万6000円。支出が年金を超えているのです。
妻76歳
「2人合わせて月22万円くらい。もう…大変だね、ぎりぎり。なんとか節約しながらやっている」
「一応、少し足しになるように働いている。週2~3日、私は清掃の仕事をしている」
夫84歳
「自転車の整理とか。(2人合わせて)10万円くらい」
妻76歳
「その働いた分で楽しみな旅行にいく。普段の生活は年金でやっている」
年金受給者(80代)
「今もたくさん買いたいけど、セーブしている。たくあんのおいしい店があって。それを買うのにも、この前よりも値上がりしていて。でも買わなければいけないなと」
その年金、実は増やすことができるかもしれません。専門家に聞きました。
■年金増える?プロが解説

【ファイナンシャルプランナー】Money&You 高山一恵取締役
「年金は現役世代も、今、年金をもらっている人も増やせるポイントがある」
お伝えしたいポイントはこの3つ。

【現役】受給時期の調整で…
【60~65歳】追加納付で満額へ
【シニア】記録漏れチェック
まずは、年金をもらい始める時期について。調整すれば、こんなに変わります。

高山取締役
「繰り下げ受給は66~75歳までの自分の好きな時に受け取る。1カ月年金の受給を遅らせるごとに、0.7%増額される」

厚生年金の平均受給額に近い「月額15万円」でシミュレーションしました。
5年間でもらえる金額は900万円。80歳時点では2700万円に達します。
仮に受給時期を70歳に遅らせた場合、月額は42%増の21万3000円です。75歳、そして80歳の時点では受給額が下回っていますが、82歳ごろに上回り、85歳時点ではおよそ250万円多くなりました。日本人の平均寿命は男性が81歳、女性が87歳です。
50代 不動産関係
「(年金受給は)70歳過ぎで十分かなと思う。できるだけ長く会社の給料でまかなえる生活をしたい」
50代
「(年金受給は)65歳くらいから。先に何があるか分からない」

続いては、追加納付で年金満額へ。国民年金の加入期間は20歳~60歳までの40年間。しかし学生時代や休職した時など、未納期間があると、基礎年金が減ってしまいます。
心当たりがある人、まだ間に合うかもしれません。実は60歳~65歳の間に未納分の保険料を支払うことで、最大5年分まで受け取り額を増やすことができ、加入期間が40年に達したら満額受給となります。
受け取り額は納付1年分につき年間2万円アップ。ではどうやって、未納期間が分かるのでしょうか。

高山取締役
「毎年誕生日の月に、日本年金機構から、ねんきん定期便が送られてくる。そこで確認できたり、ねんきんネットというインターネットのサービスがある。そこで、自身の年金加入歴を全部見ることができる」
さらに、現役世代も年金世代もチェックしておきたい、重要なポイントがこちら。
転職が多かったり、結婚などで名字が変わったり、人生の転機で生まれる年金の落とし穴。対策すれば年金が増えるかもしれません。
■“年金の落とし穴”対策は?

知っておきたい年金のあれこれ。見落としがちなのが“記録漏れ”です。
高山取締役
「現状でも年金の記録漏れを起こしているケースは非常に多い。年金記録をきちんと一度確認することが重要」

チェックしてほしいのは、例えばこんなケース。転職が多かったり、結婚や離婚で名字が変わったり。はたまた名前の漢字の読み方が複数あったり。手違いで、年金の記録漏れが生じ、満額支払われないことも起こり得るといいます。
年金記録は「ねんきんネット」などで確認することができます。もし記録漏れがあった場合は、「年金事務所」や「街角の年金相談センター」で訂正することが可能です。