
第三者委員会が斎藤元彦知事のパワハラを認定したことを受けて、兵庫県の県議は再び不信任決議案を提出することを視野に入れていると明らかにしました。
■「兵庫県は法の支配なき状態」の指摘も

263ページの分厚い調査報告書。元裁判官を含む6人の弁護士で構成された第三者委員会が、報告書の中で最も多くページを割いたのは、斎藤兵庫県知事のパワハラについてでした。

第三者委員会 藤本久俊委員長
「パワハラについては、かなりの程度事実の部分がございました」
斎藤知事が公用車を降りてから20メートル歩かされたことに立腹し、出迎えた職員を激しく叱責したことや、休日にチャットによる業務指示を行ったことなど、第三者委員会は告発文書などで指摘された16件のうち10件をパワハラと認定しました。
また、斎藤知事がこれまで「誹謗(ひぼう)中傷性が高い」と主張してきた「告発文書」について、第三者委員会は告発者である元県民局長を探し出し、懲戒処分を科した一連の行為は「公益通報者保護法違反である」と断じました。

藤本委員長
「利害関係者が関与すれば『これは違う文書』『事実ではない』『むしろ誹謗中傷だ』という方向に行くのは当たり前のこと。本件はまさに、利害関係者が関与してはいけなかった典型例」
ただ、斎藤知事は自身が設置した第三者委員会の結果を受けても、意見を曲げません。

斎藤知事
「これまで述べさせていただいた通り、誹謗中傷性の高い文章だったというふうには考えております」
一方第三者委員会は、贈答品の受領いわゆる“おねだり疑惑”と、プロ野球優勝パレードのキックバック疑惑については認定しませんでした。

斎藤知事は現在報告書を読み込んでいるため、議会が閉会する26日以降に、何らかの発表をする見込みです。
今回の報告書を受け、斎藤知事の辞職を求める声も上がっています。

兵庫県 丸尾牧議員
「対応が変わらないということであった時には、次の段階として、辞任だとか辞職だとかということは、当然選択肢としては入ってくると思います」
再び不信任案を出す動きも…。

兵庫県 上野英一議員
「私たちは最終的には、斎藤さんが自ら辞職をしなければ、最終的にはまた不信任を出さないといけないと思う」
専門家は、今の兵庫県は非常に危険な状態にあると指摘します。

法政大学大学院 白鳥浩教授
「まさに現在の兵庫県庁というのが、法の支配なき状態に陥っているというふうに言ってもいい。あるいは兵庫県庁だけではなくして、兵庫県庁をつかさどる兵庫県自体が、法の支配なき状態に陥っている。現在の兵庫県の行政というのはかなり危険な状態にあります」
(「グッド!モーニング」2025年3月23日放送分より)
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