
インバウンドで日本に多くの外国人観光客が訪れていますが、長野県白馬村ではスキー目的で訪れた外国人がタクシーを利用することが増えています。なかには、月収100万円を超えるタクシー運転手もいるということです。
■タクシー運転手に密着 なぜぞんなに稼げる?

白銀の北アルプスが輝く長野県白馬村。駅には、あふれんばかりの外国人観光客がいます。ゲレンデは右を見ても、左を見ても、外国人観光客。
カナダからの観光客
「日本でスキーをしたくて。白馬はとてもいいと聞いたので」
オーストラリアからの観光客
「(白馬が)大好きです、特に雪が」
ラーメン店をのぞいても、ほぼ外国人客です。

インバウンド特需に沸く白馬村。去年訪れた観光客は271万人とコロナ禍前を上回っています。それに伴い、今需要が高まっているのが“タクシー運転手”です。

アルピコタクシー 薄井浩章大町支社長
「トップだと大体(月収)100万円くらいの給与」
なんと、月収が100万円を超えるといいます。なぜそんなに稼げるのか。運転手に密着してみました。

まず向かったのは、白馬村から40キロメートル以上離れた長野駅。乗せたのは、およそ2カ月前から予約が入っていたアメリカからの観光客です。
長距離利用 アメリカからの観光客
「(料金は)とてもお手頃だね。アメリカよりずっといいよ」

お手頃だと感じたそのお値段は1万9700円(ツアー会社との契約料金)。タクシーに戻ると、すぐに予約が入ります。

その後も、外国人観光客の予約が次々と入る黒澤雄一さん。そのわけは、去年12月から白馬村で導入されたタクシー配車アプリ「ウーバータクシー」。初めて白馬村を訪れる外国人観光客でも、簡単にタクシーを見つけることができるといいます。
アルピコタクシー 黒澤さん
「白馬村内、ウーバータクシーのシステムが入りまして、それでどんどんどんどん依頼がくる感じ」
さらに、他にも工夫が…。

黒澤さん(ポケット翻訳機使用)
「ワッツ ハプン?(どうしました?)」
オーストラリアからの観光客
「スノーボードをしていました。骨折していないことを祈ります。そうなると、早く帰国しなければなりませんが、それは嫌なのでもっと長く滞在したいです」
“ポケット翻訳機”も使い、乗客とコミュニケーションをとります。
黒澤さん
「1月、2月はもういっぱいでしたね。(白馬から)羽田空港、成田にも迎えに行ったりします。羽田空港ですと、ジャンボタクシーで18万円程度」
ウーバーアプリとポケット翻訳機という二刀流の黒澤さん。気になる収入は?

黒澤さん
「普通に休んで、残業しないで(月収は)50万円、60万円。休日出勤するともう100万円を超えたりします」
■タクシー運転手に転職「今年の冬はすごい」

ホテル業から転職し、タクシー運転手を始めて4年になる藤本さちえさんには、こんな工夫があるといいます。
予約が入ったのはオーストラリアから来た2人組の女性。自動ドアを使い、日本の「おもてなし文化」を伝えます。

アルピコタクシー 藤本さん
「This season so much snow!(今シーズンは雪が多かった)」
オーストラリアからの観光客
「Really nice」
藤本さん
「I had seen to so much snow before?(これまでの雪は見たことがありません?)違う?never?」
英語でコミュニケーションを続ける藤本さん。
藤本さん
「あ、仕事来ました。行きますか」
タクシーアプリと持ち前の明るさで次々と客の心をつかみます。

藤本さん
「見える?ジャンプスタジアムです。オーバーゼアー1998年オリンピックイヤー」
カナダからの観光客
「Oh~!」

白馬村ならではの話題も交えて会話する藤本さん。客からきた質問にも答えます。
カナダからの観光客
「ラーメン屋でおすすめはありますか?」
藤本さん
「ポピュラーなのは『まる玉』」
カナダからの観光客
「『まる玉』OK!」

タクシーを利用した人に話を聞きました。
オーストラリアからの観光客
「(オーストラリアと比べて)安いです!」
カナダからの観光客
「彼女はとてもすてきでした。今夜の晩御飯についておすすめを聞いたら、素晴らしい選択肢をくれたので満足しています」
藤本さん
「日本に来て、パンフレット通りの場所行くよりは『ここ本当はおいしいのに』って教えてあげたい」

そんな藤本さんの収入は?
藤本さん
「(普段は)20万(円)前後くらい。でも、今年の冬は本当にすごかったんで、それの倍以上。収入面では結構安定しましたね」
(「羽鳥慎一 モーニングショー」2025年3月27日放送分より)
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