フジの第三者委、女性アナへの性暴力認定 中居氏とのやり取り明らかに 企業体質指摘
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 中居正広氏の女性トラブルに端を発したフジテレビの問題で、第三者委員会は「業務の延長線上における性暴力」だったと認定しました。

【画像】「ハラスメント容認の企業風土」指摘 報道番組キャスターもハラスメントに「該当しうる」

■中居氏と女性「権力格差があった」 会見で明言

第三者委員会 委員長 竹内朗弁護士
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第三者委員会 委員長 竹内朗弁護士
「私どもは性暴力があったという認定をいたしました。今回起きたことは2人の間のプライベートな問題ではなく、CXの業務の延長線上にあったというふうに判断をしております」

報告書
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 フジテレビの責任に強く踏み込んだ、第三者委員会の竹内委員長。中居正広氏や被害女性Aさんを含め、222人にヒアリングして公表された報告書は394ページにも及びました。

 これまで「女性」とされていたAさんは、フジテレビの元アナウンサーであることも明らかに。Aさん側は調査に対して「守秘義務の解除」を申し出ましたが、中居氏側が「解除を認めない」と主張したため、中居氏のマンションで起きたことについて守秘義務の対象としたまま、調査は進められました。

中居氏が女性に送ったメッセージ(報告書から)
「今晩、ご飯どうですか」

 これは報告書で明らかになった、当日の2人のやり取りです。

中居氏が女性に送ったメッセージ(報告書から)
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中居氏が女性に送ったメッセージ(報告書から)
「メンバーの声かけてます。また連絡します」
「雨のせいかメンバーが歯切れわるく、いないです。飲みたいですけど、さすがに2人だけだとね。どうしましょう」
「隠れ家的なお店。自信はありませんが、探してみますね」

自身のマンションでの食事を提案
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 しかし実際には、中居氏は誰も食事に誘っておらず、飲食店も探していませんでした。その後夜になって、自身のマンションでの食事を提案します。この時の状況についてAさんは…。

「逆らえないと思っていた」
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被害女性Aさん(報告書から)
「仕事上付き合いのある芸能界の大御所からそう言われたら、今夜暇だと言ってしまった私は行かざるを得ない。社員や他のディレクターはいつも中居氏にペコペコしている姿を見ていたから、逆らえないと思っていた。行きたくはないけど行った、という気持ち」

竹内弁護士
「中居氏と女性Aの関係は、著名なタレントと入社数年目のアナウンサーということで、そこには権力格差があった」

■ニュースキャスターもハラスメント認定

港前社長
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 報告書では港前社長らが「プライベートな男女間のトラブル」と即断したことについても、対応を誤る大きな要因となったと指摘しました。さらに…。

報告書から
「フジテレビの幹部が中居氏サイドに立ち、中居氏の利益のために動いた」

弁護士を紹介
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 中居氏の依頼を受けた幹部社員が、Aさんに見舞金として100万円を持参したことや、中居氏のために、フジテレビのバラエティー部門と長年関係のあった弁護士を紹介したことを理由に挙げています。

「BSフジLIVEプライムニュース」反町理キャスター
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 問われたのは、中居氏の件だけではありません。報告書では「全社的にハラスメント被害が蔓延(まんえん)していた」と指摘。具体的に名前を挙げて指摘された1人が「BSフジLIVEプライムニュース」の反町理キャスターです。

後輩女性社員2人に…
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 政治部の幹部だった2006年ごろ、後輩女性社員2人に対し、それぞれ1対1の食事に誘ったり、プライベートの写真を送るよう求めたりしました。断られると、業務上必要なメモを共有しなかったり、叱責したりするなどしたことが「セクハラやパワハラに該当し得る」と認定されました。

竹内弁護士
「社内のセクハラに非常に寛容な企業体質があった。その地続きで取引先からのハラスメント被害があったと、そういう認識をしております」

■日枝久氏についても言及

 その後に行われた、フジテレビの会見では…。

フジテレビ 清水賢治社長
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フジテレビ 清水賢治社長
「調査報告書の内容は、大変厳しい指摘ばかりでした。これまでの自己認識がいかに甘かったのかを思い知りました。被害女性に対し、会社は自分より中居氏を守ったと思わせてしまったこと。こうしたことを通じて、被害女性をどれだけ傷つけてしまったかと思うと、本当に申し訳ない気持ちでいっぱいです」

 ハラスメントの相談窓口が機能していない点については、このように説明しました。

清水社長
「ハラスメントやった人が結果、昇進しているじゃないかと。社内にハラスメントを報告しても訴えても、なかなかそれが効いてないんじゃないかというような問題の疑念を抱かせてしまっているということについては、本当に申し訳なく思っております」

日枝久氏についても言及
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 報告書では、40年以上にわたって経営トップに君臨してきた日枝久氏についても言及しています。

竹内弁護士
「まさにトップ人事を決めていたのは日枝氏であった。当社の組織風土醸成に与えた影響も大きかったというふうに見ております。しかしながら、それは日枝氏だけがこういう企業風土を作ってきたわけではありませんし、日枝氏さえ経営の影響力を排除すれば、この会社のガバナンスが立ち直るかというと、決してそうではないというふうに述べております」
「(Q.(日枝氏は)一連の問題が出てからこれまで公の場で説明を一度も説明していないけど、そのこと自体についてどのように評価されているのか?)一定の説明責任はあると考えております」

フジテレビの経営幹部
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 日枝氏も含めてフジテレビの経営幹部は、この報告書が公表される4日前の先月27日にそのほとんどが辞任を発表しています。

清水社長
「これは決して、別に委員会の報告の前に慌ててやったというわけではありません。委員会の報告というものを軽視するわけでもございません。フジの危機的状況というのは日一日、激しくなっておりました。ここは常勤役員全員退任するという決断をした次第です」

(「グッド!モーニング」2025年4月1日放送分より)

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