
危機的な状況から一転、今年はどうやら“あれ”が豊漁のようなんです。気になるお値段は…。
■穴場の店 敷地内に養殖場

ふっくら肉厚な身は、じりじりと焼かれて今にも滴り落ちそうなうま味を宿します。
雨のなか、店にうなぎを食べに来た理由を聞くと…。
うなぎを食べた人
「成田って良いうなぎ屋さんいっぱいあるけど、ここ結構好きで穴場。すごく品質がいいのに安く食べられる、気に入っている」
うなぎを食べた人
「結局ここのうなぎが一番、私にとってはおいしい。安いというかリーズナブル。味もいいし」
店は、おいしいうなぎがリーズナブルに味わえると人気。その味と安さの秘密を料理長に聞いてみると…。
櫻井百一料理長
「(Q.これから何をする?)これから生きたウナギをとる」

料理長が入っていったのは養殖場。実はこの店、敷地内でウナギを育てていて、朝とれたばかりの新鮮なうなぎを提供しているんです。
櫻井料理長
「よそは知らないけど、うちは安めじゃないかな。自分のところで養殖しているところないから」
■ウナギ豊漁で安くなる?
そんな店に、今年は朗報が届きました。

水槽の中にいたのは、ここで育てられている成長中のウナギです。
印旛沼漁協協同組合 岸信雄さん
「今年は7キロ入れました。1キロ約5000匹×7キロ=3万5000匹」

今はウナギらしい色と形ですが、先月養殖場に届いた段階では、透き通っていました。その姿と希少さから「白いダイヤ」とも呼ばれる「シラスウナギ」。去年までは危機的な状況でした。
岸さん
「去年は高くて買えなかった。高すぎて。とれなかったみたいですね」

シラスウナギのとれた数を見てみると、去年とおととし、激減しているのが分かります。
岸さん
「おととしの12月から去年の1月、2月、3月、ほとんど値段下がらなかった。1キロ200万円ぐらいで」
ここ2年は、1キロ200万円ほどまで高騰しましたが、そのおよそ6分の1まで今年は下がりました。
岸さん
「豊漁だったんですよ。日本の近海をシラスウナギが、どんどんのぼってきたということで、もうどこでも日本全国で全部とれたみたいだね。今年は」

ウナギは河川などで生活した後、海へくだります。詳しいルートは謎に包まれていますが、その後、日本から約2000キロも離れたマリアナ諸島付近の海域で産卵。海流に流されつつ成長し、再び日本などの川にたどり着くのですが、2025年は豊漁の年でした。

岸さん
「安いんですよ。近年まれに見る安さ。僕がここ来て16年ですけど、一番安いです」
豊漁で、うな重も安くなりますか?

櫻井料理長
「ここ何年か2年ぐらいは固定で、あまり変動があっても下げたりしない。今年がとれたからって来年がとれるわけではない。なんせ物価高でなんでも上がっているから」
コメの高値も続くなかで、今年のシラスウナギが育つ冬ごろになっても、うな重の価格を今より下げるのは厳しいそう。ですが、現在の価格は維持できる見込みだということです。