
ついにやってきた「春キャベツ」の季節。価格も少しずつ落ち着く中、おいしくいただくコツを聞いてきました。
■他の時期のキャベツとの違いは?

イタリアンのシェフが腕を振るうのは、今が旬の食材をふんだんに使ったアツアツのパスタ。鮮やかな色彩が際立つ春爛漫の絶品料理「しらすと春キャベツのペペロンチーノ」です。都内のイタリア料理店で、この時期だけの限定メニューとして提供しています。
みずみずしい春キャベツの甘みに、シラスのほど良い塩味が絶妙のハーモニー。できたてのパスタを子育て奮闘中のお父さんが舌鼓。
40代
「うまい。キャベツめちゃうまい。シャキシャキしていて」

春に収穫されるキャベツと、他の時期のキャベツとの違いは?

パスタ エ ヴィノ ケイ 岩井圭シェフ
「冬キャベツと比べると歯触りが違う。甘みが違う。パスタに使っているが、さっとなるべく数秒火を入れて、食感を損なわないように使っている」
春キャベツの魅力である「甘み」や「食感」。それを最大限に生かすコツは、調理の段階で熱を入れ過ぎないことだといいます。
生の春キャベツを最後に加えると、オイルをかけてひと振り。

パスタ エ ヴィノ ケイ 岩井圭シェフ
「これだけの作業」
「春キャベツ」のシーズンを心待ちにしていたといいます。

パスタ エ ヴィノ ケイ 岩井圭シェフ
「高すぎて高級品みたいになっていたので、今はほっとしている」
■新鮮な「春キャベツ」がお買い得に…買い物客からは喜びの声
価格の高騰が続いていたキャベツ。焼きそばやお好み焼きなど、毎日キャベツを大量に使う鉄板焼き店も、これから増える春キャベツの出荷に期待を寄せています。

赤鬼 池袋店 青木松哉さん
「3カ月前くらいのキャベツの高騰から比べると、だいぶ落ち着いてきていると思う」

去年、都内の青果店を取材した時には、キャベツが1個1000円以上もする異常事態でした。
2日、東京下町の葛飾区にある青果店を訪ねると、新鮮な「春キャベツ」がお買い得になっていました。
三浦半島から届いた大玉の春キャベツ。1個の価格は、税抜きで149円です。

大権商店 森輝夫さん
「1カ月くらい前からしたら、ほぼ半分の価格帯に下がっている」
値下がりを待ちに待っていた買い物客からは、喜びの声が。
60代
「(Q.キャベツの価格は?)安いです、とても。キャベツは毎日使っているので、何でも入れちゃう」

スーパーなどで販売されたキャベツの平均価格は、去年から値上がりが止まらず、今年1月には1キロあたり553円まで高騰し、平年の3.3倍に。
その後、徐々に落ち着き、347円まで値下がりしました。

大権商店 森輝夫さん
「春のやわらかいキャベツが一番良い時期。ここのところ雨も降って気温も少し上がったので、だいぶ玉伸びが良くなって良いキャベツが出荷されるようになった。手ごろな低価格で安定してくると思う」
新鮮な春キャベツを買った人たちは今晩、どんな料理を作るのでしょうか?
孫
「(春キャベツで何作る?)お肉と一緒に炒める」
60代
「サラダ」
孫
「サラダか」
50代(家族5人)
「寒いので豚汁にするのかな。『キャベツを思い切って食べろ』と出すかもしれない」
■「春キャベツ」おいしく食べるコツ

家庭でも作れる、おいしい春キャベツ料理は?
その調理法を教えてくれるのは、絶品のロールキャベツを作ると評判のプロ、銀座の老舗洋食店の5代目店主・竹田さんです。
銀座 日東コーナー 竹田大作代表
「ロールキャベツになります」
客
「すごい」
本来、作るのに手間と時間がかかるロールキャベツですが、旬の春キャベツなら「時間が短縮できる」と太鼓判を押します。

銀座 日東コーナー 竹田大作代表
「春キャベツの特長は肉厚。葉肉がすごく厚くて、水分を含んでいるので食べた時にジューシー。口の中でとろける。繊維が冬キャベツよりもやわらかいので、煮込みすぎるととろけてしまう」

時間節約ポイントその1、最初に春キャベツを電子レンジで3分チンしてやわらかくしておきます。適度な大きさにちぎったら、芯を叩いて巻きやすくします。

時間節約ポイントその2、店では合い挽き肉に卵やソース、ケチャップなど複数の調味料を入れますが、家庭ではマヨネーズだけで代用するのがおすすめ。
銀座 日東コーナー 竹田大作代表
「マヨネーズだけで十分。つなぎで。その代わり良く練ってほしい。肉から水分が出てきて、その水分がつなぎになる」
春キャベツの真ん中にひき肉を置いて…。

銀座 日東コーナー 竹田大作代表
「芯を反対側にしていれる。よくつぶす」
ロール状に巻いていけば、下準備はOK。

時間節約ポイントその3、煮込む際には手間をかけずに市販のコーンポタージュなどで味付け。弱火から中火で20分煮込めば、春キャベツのおいしさを引き立てた、本格ロールキャベツの完成です。

銀座 日東コーナー 竹田大作代表
「めんつゆでも良いし、クリームソースでもなんでも良い。煮込むとロールキャベツがふわっと仕上がる。冬キャベツもふわっとできるが、春キャベツは中に水分と空気がふわっと入るのでおいしい」