
マンションが古くなり、管理費の高騰に悩む人も多いのではないでしょうか。徹底した節約で管理費を抑え、魅力を高めているマンションを取材しました。
【画像】管理費節約だけでは息詰まる…フィットネスやカラオケルーム設置
■徹底的な節約 住人一致団結

去年、福岡から東京に転居した山内さん夫妻。選んだ住まいは、スカイツリーが目の前に見える足立区の分譲マンションです。広さ74平米、3LDKの管理費は月およそ1万4000円で、修繕積立金は1万9000円ほどです。
居住者 山内さん(74)
「安いと思います」
足立区にあるマンションの平均管理費は、70平米で月およそ1万7000円。3000円安くなっています。
山内さん
「管理費による対価がすごくいい」
なぜ管理費を抑えられているのでしょうか。管理組合の理事長はこのように話します。

イニシア千住曙町自治会
滝井康彦理事長
「思いつくことは全部やっている。一括受電サービス、要するに電気。 515戸、皆さんに印鑑を押してもらい、年間で約500万円が安くなりますと」

行っていたのは徹底的な節約です。家庭ごとだった電気の契約をマンション一括で結び、520万円のコストダウンに成功。保険の契約年数を1年から10年に延ばすなど、350万円の割引も実現しました。

さらに、駐車場を外部に貸し出し、年間800万円の収入も得ています。
滝井理事長
「節約できるところは節約する。他から利益を上げて補う考え方を持っている」


しかし、ただ節約するだけでは住民も息苦しくなってしまいます。そこで、1200万円かけてフィットネスやカラオケルームを設置しました。こうした努力と、昨今のマンション価格の高騰で、坪単価は新築時の150万円から300万円に倍増しました。
滝井理事長
「(大規模修繕を)やる時に(積立金)15億があった。半分使いました。だから半分まだ残っている。明日また大規模やると言っても、できるぐらいの余裕。赤字にならずに築60年まで払える試算はできている」
■“老老マンション問題”深刻化

取り組みが功を奏しているマンションがある一方で、居住者の高齢化とともに管理組合の担い手が不足し、修繕や建て替えが進まなくなる“老老マンション問題”が深刻化しています。
横浜市が月に一度開催する管理組合の交流会でも、このような声が聞かれました。
参加者
「一番大変なのは、孤独死にあった時の対応。孤独死について何か市は協議している?」
横浜市建築局 小屋畑育恵課長
「この場で正式に答えられるものはないが、(対応の)連携はしていきたいという機運は高まっている」
自治体も危機感を抱き、実態の把握に乗り出しています。

豊島区 都市整備部 住宅課
高木隆之係長
「このポストは結構チラシがたまっているのは気になります。管理人室はありますが、使ってはないですね」

東京・豊島区は、全国で初めて分譲マンションに管理状況などの届け出を義務付けましたが、届け出がないマンションがあとを絶ちません。

高木係長
「本当に一部の方に任せている。そこマンション管理の一番の問題点。目の前に危機感はない。そういうマンションが一番最初に老朽化を迎える。なかなか有効な手立てを打つことができていないという点では、危惧を感じいる」
(「グッド!モーニング」2025年4月3日放送分より)
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