
高級食材で知られるウニが、最近は海藻を食い尽くしてしまう「厄介もの」として駆除の対象にもなっています。そんなウニを救うかもしれないのが、意外なものです。
【画像】極小泡パワーが成長助ける 実験前後のウニを比較すると…
■“シャワー”で大変身!
クリーミーで濃厚な味わいのウニ。高級食材として人気ですが、最近は海水温が上昇して、ムラサキウニが大量に発生しています。

海藻を食べつくす「磯焼け」を起こす原因の一つとされ、駆除の対象になっていますが、駆除されたウニはやせていて身がほとんどないため、厄介ものとして捨てられてきました。
そんな厄介ものの価値を劇的に変えるかもしれないのが、シャワーヘッドです。一体どういうことなのでしょうか?

TKS 研究開発部
山下貴敏部長
「我々の技術というのは細かい泡を作る。酸素をファインバブル(極小の泡)にして痩せたウニに与えると、ウニの身入りが増加することを発見した」

極小の泡で洗浄力を高める「ファインバブル」のシャワーヘッドメーカーは、今、駆除されたウニを育てる研究を行っています。
その養殖方法は、シャワーヘッドの中で直径0.001ミリメートル未満という、極小の泡を発生させる技術を応用し、ウニの水槽に酸素を泡として送り込むというもの。
目に見えないほどの小さな泡は、長いと数カ月間も水中にとどまる性質があるといいます。

この水槽でウニを育てると、実験前と比べて身の量が1.5倍に増え、生存率は30%上がりました。
この養殖方法が実用化できれば、厄介ものだったウニが商品化できる可能性があるといいます。

山下部長
「小さい泡がウニの中に入って、何らかが内部で身が大きくなるような、そんな作用が生み出されている可能性があるかもしれない。これによって磯焼けの被害原因となるムラサキウニの駆除、養殖商品化が可能になる」
現在は、ウニだけでなくマダイの養殖にも挑戦し、この技術を安く養殖業者に提供することを目指しています。

山下部長
「今やっている実験機が、非常にコンパクトで低価格というメリットがありますので、小さい養殖空間でも非常に効率よく技術を提供できる」
(「グッド!モーニング」2025年4月4日放送分より)
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