
登山シーズン到来の中、早くも事故が起きています。「春の山に潜む危険」とは?
■山歩きシーズン到来…事故も

救助隊が防災ヘリから降下していきます。東京と埼玉県の境にある酉谷山。3月下旬にもかかわらず、山には雪が残っていました。40代の男性は「雪が多く行動が困難になった」と話しています。

今年は3月に異例の雪が降ったため、山には60センチ以上の積雪があったということです。
■“春山”には危険が…専門家が指摘する盲点

山にも桜のシーズンが訪れ、ハイキングを楽しむ人も増えています。奈良の名所、3万本の桜が咲き誇る吉野山は満開。

“関東の吉野山”と言われる埼玉県にある蓑山も満開です。8000本の桜が一斉に咲き誇ります。
登山客
「きれいだよね。一番いい。すごくきれい」
「お花見も兼ねて山も少し歩ける」
街中は散り始めていますが、山は今が見頃。

埼玉県 秩父環境管理事務所
小野新さん
「街中と比べたら数日遅れて開花するところが特徴。初心者でも楽しめますし、たまにワンちゃん連れている方が登ったりされるくらいのコース」
登山客(60代)
「初心者なので無理をしないように形から入るのが好きで、こんな格好になっています」
初心者も多く訪れる標高の低い蓑山ですが、ベテラン勢はしっかり注意しています。
登山客(60代)
「雪が残っている山たくさんあるので、そこに行ってもいい時期かどうかは気を付けています」
60代(登山歴20年弱)
「こんなところでも、ちゃんとレインウェア、ヘッドランプも必ず持っていきますし、山は侮らないで登らないと」
「水分ですね。水は一番重いけど、現地で調達できないとそれなりに(大変)」
山でインスタントラーメンを食べていた2人組に、必須アイテムを見せてもらいました。

登山客(40代)
「これがウインドブレーカー。今、晴れているが雨具。救急キット。ポイズンリムーバー、ヘビやハチに刺された時に毒を吸い出す」
まだまだ出てきます。こちらの3人組は、食べ物に工夫も。
登山客(60代)
「梅干しとわかめ」
「あと飴(あめ)も塩飴持っていく。足がつりやすいので気にして」
登山歴の長い人でも意外と、抜けているのが…。

登山客
「(Q.紫外線は?)あぁ…日焼け止めくらいしか…」
登山客
「(Q.紫外線は?)そういうの考えている人は、真っ黒くろすけ。私はそんなに(気にしないが)ただ長袖など(を着て対策)」
山では、普段以上の紫外線対策が必要です。蓑山のような標高が580メートルほどの山でも…。

近畿大学 医学部
大塚篤司教授
「500メートル級の山なら、5%平地より紫外線量が上がると考えられる。雪が残っているような山は、雪からの照り返しで紫外線量が増える。紫外線対策としては、やはり露出部を減らすことが重要」

気象庁は先月、紫外線量が年々増加傾向にあると発表しました。観測所があるつくばでは、日中の外出を控える必要がある日は、1990年はおよそ20日間でしたが、2024年は60日間でした。実に3倍です。

大塚教授
「紫外線を浴びると人間、体が疲れますので、データによっては紫外線を浴びすぎると免疫力が下がるというデータも出ています。なるべく紫外線をさけたほうが高齢の方にはいいと思います。紫外線予防をしたほうが、シミもシワもがんも減ります」
■紫外線対策グッズ…店頭では2月下旬から展開
では、いつから気を付ければ良いのか。

大塚教授
「紫外線の量だけ見ると7月、8月がピークになるんですが、4月、5月の段階ですでに紫外線レベルが高いデータが出ている」

日本気象協会は紫外線前線を発表していて、東京は4月3日、大阪は4月2日。もう遅い?

店頭に、紫外線対策グッズがずらっと並んでいます。2月下旬から展開しています。

銀座ロフト 健康雑貨売り場
鈴木祐一マネージャー
「春からもかなり紫外線は強いので、今から日焼け止めや紫外線対策が必要となってくる」

とにかく小さすぎるスティックタイプの日焼け止め。シートタイプ、スプレータイプ、顔をすべて覆う“着る”タイプの日焼け対策も。売り上げは、昨年の1.7倍に上るということです。

鈴木マネージャー
「気温に比例して、商品の購入数が上がる。(客の)服装も薄くなっているなと感じる。それに伴って、紫外線対策用品も売れている」