「玄関に黒い影が」住人が語る恐怖…クマが“住宅侵入”3人負傷 長野
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長野県飯山市で9日、男女3人がクマに襲われてけがをしました。突然、自宅にクマが押し入る恐怖を、住人が話してくれました。

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■自宅に押し入るクマの恐怖

クマはガラスを突き破って傷を負いながらも室内に押し入ったとみられます。これまでのクマ被害と決定的に違うのは家の中、それも階段を上った先にある室内で住民が襲われたことです。

クマに襲われた女性(66)
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クマに襲われた女性(66)                                           「外でガス抜きをするような音がしたんです。爪でシャーってやるでしょ。そのガラスのところ。でも割れないから突進したのかも。黒いものが見えた、玄関に。それがクマだとは最初分からなくて。見たことないものでね。それで大声立てて。『だめー』とかなんとか言ったと思うんだよね」                          「(Q.大きさは?)大きくはないけど小さくもなかった気がする」

女性は上の階に逃げるしかありませんでした。しかし、室内にはもう1人、96歳になる義理の父がいました。

クマに襲われた男性の息子                                          「この2階の茶の間にいた。茶の間の縁側で外を見ていた。椅子に座って」                   「(Q.どこから襲われた?)正面から」                                    「(Q.頭部ですか?)そうそう。こう引っかかれていた。昨日、手術したんですけど、眼科の先生に、目の筋肉がやられているから義眼は無理だと。眼球をとって縫合すると」

逃げ遅れた96歳の男性は重傷。女性は軽傷だということです。

■あちこちに“痕跡”休校も

クマの目撃情報
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クマ
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クマは体長1メートルほどで、成獣とみられています。この地区は元々、クマの目撃も少なかった地域ですが、9日は物置で作業中の男性(65)が襲われ重傷。そして、冒頭の2人を合わせ、1日で3人が被害に遭いました。その後、クマは空き家へ入ったといいます。夜通しで警察や猟友会が監視を続け、10日朝にドローンを使い確認すると、クマの姿は消えていました。

クマの足跡
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3人を襲ったクマはどこにいったのか。警察や猟友会がクマの追跡を試みましたが、空き家から北東に1キロ付近で足跡が確認されたのを最後に、痕跡は見つかっていません。

飯山市は11日も付近の小中学校などを休校としています。

近隣住民                                                    「嫌だよね。こんなところまでどうやってきたんだろう。初めて。80年生きていて」

なぜクマは玄関を破ってまで人を襲ったのでしょうか。現場に出動したクマ被害に詳しい専門家は…。

県のクマ対策員 後藤光章氏
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県のクマ対策員 後藤光章氏                                           「人里で人に出くわすことで、パニック状態というか興奮状態に陥ったことで、出くわした人を排除して逃げようとする動きの中で襲われることが集落・市街地では多い。柿とか栗とかクマを出没させやすい状況を作ってしまうような地域」

岩手大学・山内貴義准教授
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また、クマの研究をしている岩手大学・山内貴義准教授によると、冬眠前の食料が豊富だったため、今年は全国的に小グマの数が多くなり、人との接触も増える可能性があるといいます。

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