
客のクレームなどカスタマーハラスメントの対策として、世界初のVRを使ったシステムが開発されました。
■クレーム対応能力を高めることが狙い

AIアバター
「急いでいるので早く住民票出してください」
「出勤前なの!早くして」
怒鳴り声をあげる女性のアバター。これは区役所でのクレームを想定した場面です。右には、いくつかの選択肢があります。
客からの迷惑行為などのカスタマーハラスメント対策として開発された、世界初だというVRクレーム対応疑似体験訓練システムです。

めんたいバース企画 谷口良太代表
「VRを使ってAI音声認識でしゃべりながら、クレームを疑似体験するシステムになります」

VRで実際のクレーマーのようにリアルな感情表現をするAIアバターと接することで、クレーム対応能力を高めることが狙いです。

谷口代表
「昨今のカスハラの深刻化を受けて、クレームに悩むことなく本来の仕事に集中できて、組織としての生産性を上げてほしいと思い開発しました」

谷口代表は20年以上、福岡市役所に勤め、2万件を超えるクレームに対応したといいます。

その経験を生かし、カスハラ対策の本を出版。企業や自治体を対象に研修を行っていて、VRではリアルなシチュエーションを再現しています。
例えば、ホテルでチェックインした客がフロントにクレームを言いにくる場面。

AIアバター
「ツインじゃなくてダブルを予約したはずです。部屋を変えてくれませんか」
プレイヤーは対応を選択肢から選びストーリーを進めます。「変更できません」と伝えると…。

AIアバター
「でもサイトが分かりにくいせいもあるし、どうにかならないか」

正しい選択をすると目標をクリアすることができます。
VRによるカスハラ体験システムを開発した理由は…。

谷口代表
「例えば受講生同士のロールプレイングだと、どうしても恥ずかしさとか予定調和に終わりがちなので。そこを客観的なシステムによって再現性を高く研修できる」

現在はホテル、区役所、生命保険のコールセンターの3種類ですが、今後、様々な業界やカスハラ以外の研修にもVRを展開していく方針です。
(「グッド!モーニング」2025年4月22日放送分より)
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